雪香の星月夜日記

山口雪香の歌がたり、ささやき、ひとりごと

弥生空薄濁りたる遠凪は濃い眉のごと砂に寄るらむ

2017-03-02 15:20:36 | Weblog


1469年制作、ボッティチェルリの「麦と葡萄と一天使の聖母子」からアンテルプレット。

薔薇と麦と一天使の聖母子。


麦の穂は12本。キリストに従った12使徒を寓意するのだろう。


この聖母は憂いをたたえて上品だが、彼女の両手は全体のバランスから比べると、まるでスコップのように大きい。

この作品だけでなく、ボッティチェルリの人物の手はだいたい普通より大きい。


ラファエルロも、ミケランジェロもそう。ラファエルロの聖母は本当に優美だが、どのマリアの手もしっかりと肉厚だ。

レオナルドの描く手は、彼らとはまたちょっと違うが、やはり念入りに描く。モナリザの手など、まるで重力を感じさせない美しさだ。白貂の貴婦人の手はそれに反して、意外にも無骨。


手だけ眺めてみても、巨匠たちの創造性の一端に触れることができそうな気がする。





感謝。




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