薔薇園の聖母子部分アンテルプレット。
ボッティチェルリ1469〜1470年。
個性的な聖母で、絵には伝統的なイコンの堅苦しさや憂いが見えず、おでこで、西洋人にしては鼻ぺちゃのモデルの少女の猫に似た顔立ちからは、朗らかで陽気な性格を強く感じる。
ちょっと悪戯っぽい感情を隠しているような彼女の唇は魅力的で、猫にそっくりだ。まるでジョルジュ・サンドの小説「愛の妖精」のヒロイン、ファデットみたい。
青年時代のボッティチェルリは、このモデルが大好きだったかもしれない。
中年以降、画家のモデル女性は、小粋なファデットとはガラリと変わって、長い金髪を垂らした物憂げな美女になる。
今度は、そちらの時代のマドンナを描くつもり。
美しいが、どこか虚ろでデカダンスな表情を映してみたい。
良い日だった。
神に感謝。