プラチナ世代のマラソン旅行

時悠人chosan流処世術

★10年間の湯治にピリオド

2014-07-02 08:40:34 | 日記・エッセイ・コラム

 金沢市内の「温泉ガイド」に名を連ねる天然温泉の公衆浴場が、6月30日、老朽化を理由に閉店した。全国的な知名度は低いが、私にとっては、思い出深い。

 歩行すら困難だった2年にわたる療養生活を送った後、10年前からリハビリのために通い始めたジムの階下に温泉があった。

 黒褐色の塩化物泉で、4種類の機能別浴槽とサウナ・水風呂を備えており、湧出量は約230?/分(全国平均70?/分)と豊富で、今風に言えばスーパー銭湯。

 ジムで汗を流したあとの入浴を楽しみに通い続けたおかげで、健常者と変わらぬ生活を送れるまでに回復した。何よりも、3人の医者が見放した右足小指を切断しなくて済んだのも、この温泉の効用と信じている。

 ジムは、数年前に閉鎖し、デイケア・センターに衣替えしたが、温泉は健在で、昨年、公衆浴場として料金も安くなり、更に利用しやすくなった矢先だけに惜しまれる。

 営業最終日、過ぎし日を振り返り、好きだった寝湯と水風呂・うたせ湯を何度も往復し、お世話になったスタッフにお礼を言って、思い出と決別した。