プラチナ世代のマラソン旅行

時悠人chosan流処世術

★無常観

2011-11-09 08:55:20 | 日記・エッセイ・コラム

012_2  「ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。 よどみに浮かぶうたかたは、かつ消え、かつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。 世の中にある、人とすみかと、またかくのごとし」。

 「方丈記」冒頭の名文句は、この世の無常観を無駄のない文章で言い尽くしている。二段目からは、具体的な事象に置き換えて、主題を掘り下げて行く構成だ。読み進むと、序文の主旋律が幾度となく奏でられ、人間の存在とは何かと問いかけてくる。 091127_026

 高校時代、「理屈抜きに丸暗記しろ」と、先生にしごかれた時、反発しか覚えなかったが、半世紀を経て、理屈を踏まえて暗記したくなった。毎日、読経のように繰り返しながら、諳んじるのに一週間を要した。

 序文に引き続き、二段目、三段目も憶えようとしたが、難渋し、A4版サイズの紙に転写し、壁に貼り出して眺めている。 「少年老い易く 学成り難し」で、一寸の光陰を軽んじた罰を甘受している。