題名に魅かれて読んだら、びっくりん。
日露戦争に敗けた、11年後の1916年の東京という設定。野枝ちらりと出てくる。
通りにロシアの名前がつけられ、街にキリル文字があふれ、外交権、軍事権が封じられ、ロシア統監府が睨みをきかせている。なんとまあ「御大変」によりロシア統治下の日本。なにやら「二帝同盟」が結ばれている。
そして欧州で起こった第一次世界大戦に、ロシアの先兵として日本軍が派兵し、さらなる派兵への反対運動が...。
それでも天皇スーパーパワーなのか。226事件みたいなの起こる。
著者お得意の警察小説、北海道ローカルを超えて帝都を活写の巻。
寓意きわまれりのなかに、現実とクロスする妙味。続編もありと。