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危機に瀕する 「反米大陸」

2016年07月02日 | 
危機に瀕する 「反米大陸」
 
6月19日に開かれた沖縄の「県民大会」、主催者の推測では3万から5万人の参加者を見込んでいたところ、6万5千人もの参加者で会場が溢れるほどだった(ちなみに産經新聞の予想は3万人だった)。強姦殺人で亡くなった若い女性への追悼と海兵隊撤退を求める大会であった。沖縄は、米国と日本の植民地にほかならない。
 
植民地といえば米国の裏庭と呼ばれた中南米で、ただならぬ動きが生じている。
 
伊藤千尋『反米大陸 中南米がアメリカにつきつけるNO!』集英社新書(2007年刊)は、当時の反米国家台頭のあらましを丁寧に描写していたが、最近それがひっくり返される状況になってきたのだ。
 
最初はアルゼンチン、15年11月、クリスティナ・フェルナンデス大統領の後継者が中道右派のマウリシオ・マクリに負け、左派政権は雲散霧消。マクリ大統領は最近、大統領執務室に掲げてあった「チェ・ゲバラ」の肖像画を撤去した。よほど左翼がお嫌いのようで。
 
次はベネズエラ、故ウゴ・チャベスの後継者マドゥロ大統領が同年十二月の国会議員選挙で大敗して苦戦を強いられている。ベネズエラは反米大陸のいわば司令塔だっただけに、他国への影響は計り知れない。これらの背景に米国の影があると思うのは穿ちすぎ?
 
ブラジルにも影響が及ぶ、中道左派のルラ大統領の後継者となった同国史上最初の女性大統領ジルマ・ルセフ。賄賂の疑いで下院では3分の2以上の賛成で弾劾裁判賛成の可決。上院でも可決され、ルセフ大統領は最高180日の職務停止となった。ただ、英字紙の情報によれば、弾劾運動の影の黒幕がいたという疑惑で、同国検察が動きはじめたらしいという話も。
 
アルゼンチンは中南米ではかなり大きな国だし、ブラジルは大国。ベネズエラは石油超大国。さて次に控える反米国は、コレア大統領のエクアドルとモラレス大統領のボリビア。二人とも再選禁止のため次の大統領選に出られない。
 
ペルーでは悪名高い独裁者アルベルト・フジモリの娘・藤森恵子が大統領選に出馬し、最初の投票ではトップ、決選投票では僅差で敗北。だが当選したのは中道右派というのが悲しい。
 
キューバと米国は国交を回復して、各国から歓迎されたが、国連総会で何度も廃止決議が出されたキューバ制裁法はまだ生き残っている。国交回復後も経済制裁ってどういうこと?
 
新自由主義の猛威はこれからも続くのか? このまま進めば反米国家は将棋倒しとなり、反米大陸は消滅だ。
 
クリエイティブ・コモンズにて、転載。救援連絡センター発行「救援」紙の、2面の連載コラムより  
 
 
 
 
 
 
 

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