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チエちゃんの昭和めもりーず

 昭和40年代 少女だったあの頃の物語
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第110話 児童公園

2007年09月14日 | チエちゃん
 その日、チエちゃんは、お父さんとF市の眼科医院へとやって来たのでした。
2日ほど前、御影石を金槌で叩き、弾いた破片が運悪く、左眼に入り、どうにも取れなくなってしまったのです。眼は真っ赤に腫れ上がっていました。
 この時も、病院に行くのは絶対にイヤだとごねていたのですが、お岩さんのように腫れ上がって、痛さに瞼も開けられない状態に観念したようです。

 診察台の上でも散々泣き喚いていたのですが、石が取れ、診察が終わるとケロッと機嫌も直ってしまいました。それでも、眼に傷が付き、左眼には眼帯をしなければなりませんでした。

 この後、チエちゃんは、眼科へ来たご褒美ということで、児童公園に連れて行ってもらったのです。
 
 ここは、公園と名前が付いていますが、市営の小さな小さな遊園地です。有料の遊具が幾種類か設置されており、1回10円で、乗れたように記憶しています。100円で11枚の回数券がお徳でした。
 コースを3週する豆機関車、ぐるぐる目まで廻ってしまうティーカップ、水に入ったり、空を飛んだりするボート、塔を中心に廻りながら、空高く飛ぶ飛行機など・・・・(あと、1つか2つあったように思うが、思い出せません)
 このほか、ブランコや滑り台、砂場などの無料遊具もありました。公園の中央には池があり、アヒルやカモが泳いでいました。

 チエちゃんは、何度かこの児童公園に連れて来てもらったことがあり、中でも、飛行機が大のお気に入りでした。一通り、遊具に乗った後、もう一度最後に必ず乗るのが、この飛行機だったのです。
ぐるぐる廻りながら、空、高く高く舞い上がる飛行機は、とても気持ちがよく、先程まで目の痛みに苦しんでいたことなど、何処かへ消し飛んでしまうのでした。

 この児童公園は、現在も運営を続けており、1回50円~100円と値上がりはしたものの、日本一安い小さな遊園地のようです。