チエちゃんの昭和めもりーず

 昭和40年代 少女だったあの頃の物語
+昭和50年代~現在のお話も・・・

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第107話 悪 夢

2007年09月05日 | チエちゃん
ハァ、ハァ、ハァ、早く、早く、もっと早く、・・・・・

チエちゃんは、真っ暗闇の地底を駆けています。

すぐ後ろからは、気配が・・・

怖ろしい魔物が追いかけてくる。

早く、早く、早く、・・・・・  逃げなくちゃ!



ん!? あの光は何?

出口だ!

あそこまで、たどり着けば逃げ切れる!


出口付近に近づいてみると、そこはチエちゃん家のもろの中だ!!

もう少しで、出られる・・・

やった! 外だ! 

ここは、チエちゃん家の庭先。

ああ、なんてこと! 魔物はすぐそこまで迫っているというのに、

洞窟の外に出た途端、チエちゃんの足はまるで、スローモーション・・・

もがいても、進まない。 動け! もっと早く! がんばれ!

やっとの思いで、庭の端にたどり着いたチエちゃんは、高台のその場所から

飛び降りました。


身体がふわっと宙に浮いて、空を飛んでいる・・・

やった、これで魔物は追ってこられない。

しばらく、空中を飛んで、安堵感と開放感を味わったチエちゃんでしたが、

公民館の辺りで、急に失速し始めたことに気が付きました。

どうしよう! 足をバタバタさせるも、どんどん、どんどん、下降していく・・・



 いつも、この場面で、チエちゃんは、ハッと目が覚めるのです。
ゆめ判断によれば、追いかけられるゆめは、身体の疲れを現しているのだとか・・・

 子供の頃、度々見ていたこの魔物に追いかけられるゆめも、楽しいゆめも、苦しいゆめも、ゆめを見なくなって久しい・・・