ハァ、ハァ、ハァ、早く、早く、もっと早く、・・・・・
チエちゃんは、真っ暗闇の地底を駆けています。
すぐ後ろからは、気配が・・・
怖ろしい魔物が追いかけてくる。
早く、早く、早く、・・・・・ 逃げなくちゃ!
ん!? あの光は何?
出口だ!
あそこまで、たどり着けば逃げ切れる!
出口付近に近づいてみると、そこはチエちゃん家の
もろの中だ!!
もう少しで、出られる・・・
やった! 外だ!
ここは、チエちゃん家の庭先。
ああ、なんてこと! 魔物はすぐそこまで迫っているというのに、
洞窟の外に出た途端、チエちゃんの足はまるで、スローモーション・・・
もがいても、進まない。 動け! もっと早く! がんばれ!
やっとの思いで、庭の端にたどり着いたチエちゃんは、高台のその場所から
飛び降りました。
身体がふわっと宙に浮いて、空を飛んでいる・・・
やった、これで魔物は追ってこられない。
しばらく、空中を飛んで、安堵感と開放感を味わったチエちゃんでしたが、
公民館の辺りで、急に失速し始めたことに気が付きました。
どうしよう! 足をバタバタさせるも、どんどん、どんどん、下降していく・・・
いつも、この場面で、チエちゃんは、ハッと目が覚めるのです。
ゆめ判断によれば、追いかけられるゆめは、身体の疲れを現しているのだとか・・・
子供の頃、度々見ていたこの魔物に追いかけられるゆめも、楽しいゆめも、苦しいゆめも、ゆめを見なくなって久しい・・・