気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

ココア

2004-11-24 20:22:13 | おいしい歌
一匙のココアのにほひなつかしく訪(おとな)ふ身とは知らしたまはじ

(北原白秋 桐の花)

冷えてくると暖かい飲み物が欲しくなる。そんなときの定番がココア。
明治から大正にかけての時代でさえ、ココアは懐かしさを感じさせるものだったらしい。
去年の秋に買った飲みさしがあるのに、また買ってしまうのは、なぜだろう。

草食獣第四篇

2004-11-24 10:46:38 | つれづれ
タコあげに来しがいつしか子らの散り広場にわれのみたこあげてゐる

「桃太郎」「一寸法師」妻は子の耳にふきこむ拝金主義を

子供用のネクタイ締めてやるときの首やはらかし危めたきまで

文鳥にうまれかはりて先の世の妻の手にのることのあるべし

少年のわれの不思議は喧嘩せぬ近江兄弟社にはじまりぬ

(吉岡生夫 草食獣第四篇 和泉書院)

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吉岡さんの家族詠は面白い。ご本人を知っているからだろうか。
この本の装丁は川本浩美。川本さんの歌が読みたい・・・