天地(あめつち)の目合(まぐはひ)とこそ思はめや真夏の山の雪崩の叫(おら)び
ああやはり日本人だなさりげなく見て見ぬふりをして目が合ひぬ
まほろばの吸ひつくやうな肌かなうまさけ三輪の春の空気は
ひっひっふー、ひっひっふーと整ふるパッヘルベルのカノンの呼吸
ふかぶかと妻の送りし大波を乗り切つて吾子空気にむせぶ
(本多稜歌集『蒼の重力』本阿弥書店)
旅行詠登山詠職場詠家族詠…なんでもうまい。
スケールが大きいこれぞ「男うた」
「ひっひっひふー」「ふかぶか」は出産の歌でしょうが、男性の詠む出産の歌をはじめて読んだ気がしました。
ああやはり日本人だなさりげなく見て見ぬふりをして目が合ひぬ
まほろばの吸ひつくやうな肌かなうまさけ三輪の春の空気は
ひっひっふー、ひっひっふーと整ふるパッヘルベルのカノンの呼吸
ふかぶかと妻の送りし大波を乗り切つて吾子空気にむせぶ
(本多稜歌集『蒼の重力』本阿弥書店)
旅行詠登山詠職場詠家族詠…なんでもうまい。
スケールが大きいこれぞ「男うた」
「ひっひっひふー」「ふかぶか」は出産の歌でしょうが、男性の詠む出産の歌をはじめて読んだ気がしました。