気まぐれ徒然かすみ草

近藤かすみ 

京都に生きて 短歌と遊ぶ

箸先にひとつぶひとつぶ摘みたる煮豆それぞれ照る光もつ

感謝感想(もしも題詠マラソンがなかったら)

2004-11-04 20:20:38 | 題詠マラソン2004
昨年につづき、今年も題詠マラソンに参加して、よい経験をさせていただきました。
五十嵐きよみさん、水須ゆき子さん、萩原裕幸さん、兵庫ユカさん、スタッフのみなさま、おつかれさまでした。本当にありがとうございました。

10月末の三日間ほど、私も「ランナーズ・ハイ」の状態を味わいました。
どんなことになるのだろう?知り合いの○○さんにはぜひ完走してほしい…
こんなにたくさんの短歌を一気に読めるなんて、すごく贅沢なことでした。
ちょうど角川短歌賞の発表号を入手したこともあって、縦書き横書き両方で
勢いのある短歌を堪能しました。

とにかくスタッフの方のご尽力に頭が下がりました。
投稿歌をなかなか読みすすまないので、パソコンの前にメモを置いて、
何番まで読んだか記録していましたが、最後の一週間ほどは、それがどんどん増えました。

お題についてですが、
「オルゴール」「捨て台詞」「抱き枕」はそれだけで5音になります。
「家元」「坩堝」「木琴」「絶唱」はイメージの強い言葉で、ワンパターンに
嵌らないために、悩ませられる題でした。
ほかの人の作品に「題またがり」を見つけて、こういう手もあるのかと、
私も挑戦しました。こういう機会でないと、絶対に詠めなかった歌だと思います。

題詠マラソンに参加しなかったら、横書きでなかったら、
詠まなかったであろう歌を選んでみました。
別の見方をすれば、題詠マラソンを知らない人には理解できない歌かもしれません。

045:家元
両親の仕事は元画家元モデルいまはスナック経営らしい
055:日記
だれにでも裸体をさらすマネキンのやうな日記をまた読みに行く
060:とかげ
身のうらのやはらかき肌を玻瑠窓にゆるすとかげよALL YOU NEED IS LOVE(愛こそはすべて)
080:縫い目
子の衣の綻び繕ふ三ヶ島の葭子の手なるちひさき縫ひ目
090:木琴
放課後の木琴鉄琴手風琴春琴慕ふは温井佐助ぞ
099:絶唱
枕辺に迦陵頻伽のあらわれて絶唱みちびく春のゆふぐれ
100:ネット
赦されてうは言を百つぶやきぬ魔法のネットに囚はれしのち

ほかの参加者の作品で心に残った歌は、たくさんありすぎて・・・
これからまたゆっくり読んでみます。

(画像は山科真白さんのサイトからお借りしました)