ぶんちゃん日記

最北の、何もない静かな山奥「ぶんちゃんの里」のオーナーの交流日記です!

「あの人は今何をして・・・」と。

2013-08-25 19:54:26 | Weblog
 夕方の仕事中、ふと「あの人は今何をしているだろう~」と思い出していました。
もう10年も前のことになるだろうか~。

 関西のあるお母さんから「娘に酪農体験をさせて下さい」という電話がかかってきました。良く話しを聞いてみると
19歳の娘さんは、小中学校も高校も一度も学校に行ったことのない人だと言います。
色々と考えさせられましたが、15日間の体験を受け入れました。彼女は一人で関西から浜頓別まで飛行機やバス乗り継いで
をやってきました。

 帰り際に彼女は、素晴らしい感想を書き残していってくれました。
それは「・・・牛舎の中では牛一頭一頭の違いを見つけるのが楽しかった。顔も模様も性格も、みんな違いひずめの大きさ
も違いました。そんな牛たちが牛乳を出してくれたり、肉になったりするんですね~。少し複雑な気持になりますが、牛を育てる
農家の人や精一杯生きてれた牛たちに、感謝することがどれほど大切な事か分かったような気がします。感謝の気持がないと、食べ物は
美味しく感じません。
私は、ここに来て、来る前よりも一層食べ物が美味しいと感じるようになりました・・・・・(中略)」と。
 「・・・何を聞かれても返事をするのが精一杯でした。何も言えなくてごめんなさい。もっと色々とお話したかったです。
・・・・・・」(以下略)

           

           

 19歳さんのこの感想文は今でも私は大切に保管していますし、これまで人様の前で語る機会を与えられたときに、使わせていただいた
文面でもあります。
「食育の大切さ」がいわれ久しくなりますが、彼女は学校には行けなかったが、僅か2週間の短い酪農体験でこれからの人生の中での最も
大切な事を学んでくれたような気がしたものでした。

 絵が大好きだった彼女は、私の所の焼き肉ハウスの壁に、動物の絵を書いて行ってくれました。
10年たった今でもはっきりと、残っています。

           

 色々な課題を背負いながらも、家族や周囲の人たちに見守られながらも必死に生き、課題の克服に頑張っている姿を目の当たり
にしてきた15日間を鮮明に思い起こしました。

 久しぶりの彼女の感想文に目を通しました。
「いまどうしているんだろう~~」と何度も思ってしまいました。

 どんな境遇にあろうとも、強い意志と家族はもちろんのこと、周りの支えの大切さを痛感したひとときでもありました。


 

             
 
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