ぶんちゃん日記

最北の、何もない静かな山奥「ぶんちゃんの里」のオーナーの交流日記です!

2人だけの卒業式 その1

2022-09-13 19:35:08 | Weblog
 いよいよ酪農経営の卒業の日を迎えた。
生意気な若き時代であっても、暖かく見守ってくれた諸先輩の地域の皆さん、多くの皆さんに支えられてきた52年間の酪農経営の卒業のときだった。
いつものように朝の仕事を、動画制作の取材に答えながら順調に進めた。
今日の全ての牛のお世話の仕事が生涯最後だと思うと、至る所で涙があふれ出た。
最後の最後の搾乳・・・・。1052番だった。少し足癖が悪く、いつものように胴締めをしての搾乳だった。
そして・・迎えの大型車が2台やって来た
JAの沢山の方ガタが積み込みのお手伝いに来てくれた。悲しみが薄らいだ。
次々に車に引き連れ出されるが、素直に乗り込む牛たち・・・。買われていくいく次の牧場でもかわいがられることを望まずにはいられなかった。

                              

                                    

 そして・・最後の1003番の牛になった。
こどもから大人達まで数年間にわたって搾乳体験でお世話になった牛だ。
私たちは最後のお別れに記念写真を撮っていただいた。52年間のお母さん牛たちとの最後の別れの牛だ。

                           

 全ての牛が積みおわったあと、突然に2人だけの卒業式になった。
しかも沢山の牛たちが積まれたトラックの前で・・・。
急に知らされて私も驚き・・・妻が密かに準備をしていたらしい。
妻から私に卒業証書の授与。老人のあふれ出る涙を押さえて・・・・。 そして・・花束も・・・積まれた牛たちにも見守られ、2人だけの小さなちいさな酪農経営の卒業式だ。

                          

                            

                                    

                         

 私のやること全てに反対することなく協力、支援してくれた妻、消費者交流活動から酪農実習生の受け入れ食事の準備などなど・・
なんともわがままで贅沢な生活だった。
卒業証書を受け取りながら、私は妻への感謝状を心の中で読み上げていた。 

 数こそ毎月のようにへっていっていた牛の頭数
全ての牛を送り出した後・・・・賑わっていた牛舎は古びた建物だけが残った。この牛舎は54年ほど前の私が高校2年生の時に父親が建てたものだ。
よくぞ堪え忍んで今日まで健在だったかと・・・。感謝に堪えない。私たちは他界した父母や先祖に心から感謝し手を合わせた。

                                        

 10日から動画制作の為に浜頓別町に来訪いただき、たくさん取材していただいたオクラホマの藤尾さん・・ありがとうございました。
酪農経営卒業にあたって沢山の質問に、過去を思い起こし借金など経営経済の事、生活環境のこと、経営卒業とその後のことなどなど・・色々と語らせていただきました。
町内の色々なことを取材したとか・・素晴らしい動画制作をご期待したいと思います。 合わせましてもりさきさん、ありがとうございました。
藤尾さんとも今日の午前9時過ぎにお別れしました。

                                  

 あらためて52年間の酪農経営に感謝した。

     その2に続く。
     

 
コメント (4)
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