道東の美幌町へ帰省するまでに何カ所の市町村を通っただろう。
空知、上川の水田地帯を過ぎ、網走管内に入ると豆やトウキビ、ビート、玉ねぎ、かぼちゃ、ニンジン・・・沢山の作物が栽培されて、時折100頭規模と思われる牛舎も見かけられました。
自給率向上だとか、不況のせい、農業の見直しなどで農業を目指す若い世代も増えているということですが、先日友達に聞いたところ、美幌町でも新規の就農を支援する制度があって、3年の研修期間があるそうです。
3年というのは長く感じたのですが、実家を継いで農業をしている友達は、何も分からず一から農業をやろうとすると3年でも短いと言っておりました。
確かに自分がやっている仕事を考えても、技術や知識は3年続けてそれからが始まりのような気もするので、まして農業は天候にも左右され、頑張った成果が必ずしも実るとは言い難い面があります。
北海道の食糧自給率はカロリーベースで192%と全国一だそうです。
笑い話ですが、時に北海道は独立すべきだ! なんて話しをしますが、車をちょっと走らせてもそれだけ畑は多く、熊本から長崎にかけての棚田や畑を見た時、つくづく北海道の広さ、農業規模の大きさを実感しました。
とは言え北海道だけで日本の食糧をまかなえる訳ではなく、大豆や小麦などは輸入に頼らざるを得ない状況ですが、大空町(旧女満別町)から網走市の穀倉地帯やカボチャ畑を見たとき、一体日本人は一年でどれだけ食べているんだ? と感じました。
数年前には富良野で作りすぎ(採れ過ぎ?)のニンジンを廃棄したり、生乳を廃棄したと思ったらバター不足になり、一転バターの在庫を増やしたら余り出したりと、一体国の農業政策はどうなってるんだ? と思わざるを得ません。
乳牛を飼育している叔父の家も相手が生き物だけに、昔よりはマシになったとは言えほとんど休みもなく牛の世話をしなければならず、叔母の『なんのために生きてるんだか』なんて笑いながらも言った言葉にはグッとくるものがありました。
農家もやはり好きな作物、もうかる作物を作りたいと思うでしょう。
郵便局にあったカタログショッピングの中に、夕張メロン1.3キロが2個で5000円。
産地は北海道としか表示していない同じ大きさのメロンが2個で3300円。
ブランド力とはいえこの違い。
竹中平蔵氏はメロンやイチゴなどの品質、ブランド力があれば、海外にも日本の農作物はバンバン売れる! なんて言っていましたが、それも中国や中東が景気が良い時の話しで、何年も先を見据えた考えではないように思えます。
安心して食べられる食品はやはり国内で安定供給されなれけば、農家にも国民にも未来はないんじゃないでしょうか。
まずはスーパー、コンビニ、デパートのお弁当の価格競争をやめ廃棄食物をなくす。確かにいつでも弁当が買えるって便利になったのだけれど、その増加によって廃棄する食品、プラスチック類のゴミも増えたろうし。
10年20年先を考えた作付け面積の調整も必要なのかなと思います。