1979年のヴィリサウ・ジャズフェスティヴァルでは、前回掲載のアーチー・シェップの他にアンソニー・ブラックストンとのデュオも行っていて、これもその音源を収録した2枚組アルバムです。
「ONE IN TWO - TWO IN ONE」 hat Hut SIX 2R06
MAX ROACH (perc, gong, tuned cymbals)
ANTHONY BRAXON (as, ss, sn, cont bcl, cl, fl)
録音 1979年8月31日
これは、ベテランの2人がお互いの持ち分をわきまえながら、多くの楽器を駆使して演奏を繰り広げる77分50秒のドラマです。
演奏はデュオとソロの応酬による共に明快極まりない内容で、フリー・ジャズというよりは、お互いが持ち前の楽器を駆使して最大のパフォーマンスを展開するという内容となっています。
マックス・ローチは、ドラムセットの他にゴングや特殊なシンバルを効果的に使っており、またアンソニー・ブラックストンの吹くコントラバス・クラリネットは、ヒキガエルの雄叫びのようにも聞こえて旨く演奏に溶け込んでいます。
演奏開始後、74分あたりで一旦終了して大きな拍手に包まれますが、その中でアンコールのかけ声があったことから、それを受けてドラムスとソプラノ・サックスによる小品が演奏されて終演となっています。
全曲を通してメロディらしきものはありませんが、2人の演奏が切り替わる度に拍手が聞こえます。
また、通して聴くには2枚組のレコードを夫々裏返しする必要がありますが、それも苦にならず一気に聴くことができる内容となっています。
アルバム・ジャケットの内側に、ブラクストンが吹いているコンドラバス・クラリネットと、ローチが使っているターンド・シンバルの写真がありましたので、ここに掲載しました。
「ONE IN TWO - TWO IN ONE」 hat Hut SIX 2R06
MAX ROACH (perc, gong, tuned cymbals)
ANTHONY BRAXON (as, ss, sn, cont bcl, cl, fl)
録音 1979年8月31日
これは、ベテランの2人がお互いの持ち分をわきまえながら、多くの楽器を駆使して演奏を繰り広げる77分50秒のドラマです。
演奏はデュオとソロの応酬による共に明快極まりない内容で、フリー・ジャズというよりは、お互いが持ち前の楽器を駆使して最大のパフォーマンスを展開するという内容となっています。
マックス・ローチは、ドラムセットの他にゴングや特殊なシンバルを効果的に使っており、またアンソニー・ブラックストンの吹くコントラバス・クラリネットは、ヒキガエルの雄叫びのようにも聞こえて旨く演奏に溶け込んでいます。
演奏開始後、74分あたりで一旦終了して大きな拍手に包まれますが、その中でアンコールのかけ声があったことから、それを受けてドラムスとソプラノ・サックスによる小品が演奏されて終演となっています。
全曲を通してメロディらしきものはありませんが、2人の演奏が切り替わる度に拍手が聞こえます。
また、通して聴くには2枚組のレコードを夫々裏返しする必要がありますが、それも苦にならず一気に聴くことができる内容となっています。
アルバム・ジャケットの内側に、ブラクストンが吹いているコンドラバス・クラリネットと、ローチが使っているターンド・シンバルの写真がありましたので、ここに掲載しました。
10月7日(土)、地元の市民センターでの「歌謡ショー&木管五重奏」による演奏会に行ってきました。
会場に着く前までは、聴きたいのは木管五重奏のほうで、歌謡ショーはおまけのようなものと思っていました。
当日の演奏は3部構成となっていて、1部と3部が東 亜樹さんによる歌謡ショー、そして中間の2部でvivo木管五重奏となっていて、各々のステージは休憩を挟んで各々30分ほどでした。
演奏曲目はチラシにも掲載されていますが、歌謡ショーの中で歌われたのはこの中の3曲だけでしたが、ヨーデル、テレビ番組の主題歌、日本の歌謡ポップス、演歌、それに昔の歌謡曲等々、幅広いジャンルの歌を披露してくれましたが、声量があり何れの曲もしっかりした音程でうまく歌っていました。
その中で、プログラムにもあったトラックの運転手に向けて「いすゞのトラック」の歌を披露してくれました。
また、彼女は今年の7月にハワイで公演を行っていることもあり、岡 晴夫の「憧れのハワイ航路」も歌いましたが、これが一番盛り上がりました。というのも私を含めて高齢者が多かったからです。(笑)
当日配布されたプログラムにはプロフィールが記載されており、会場でも話してくれましたが、カラオケバトルや多数のテレビ、ラジオの放送に出演している実力者であることが分かりました。
3部では歌の他にトークがあり、ステージに投げてもらっては困るものとして「入れ歯」「スリッパ」「靴下」で、投げても良いものは「おひねり」や金目のものだそうで、一同爆笑する場面もありました。
また、聴衆に声かけをして、歌に併せて手拍子やコブシを突き上げる場面もありました。
そして、彼女の誕生日が10月10日であることから、多くのご年配の男性がプレゼントを渡していたのには少々驚きましたが、楽しい歌謡ショーでした。
2部のvivo木管五重奏は、地元のママさんによる吹奏楽メンバーの中からピックアップされた5人による演奏でした。
木管楽器の五重奏といえば、フルート、オーボエ、クラリネット、ホルン、ファゴットとなりますが、今回はオーボエに替わってクラリネット、ホルンに替わってテナーサックス、ファゴットに替わってバスクラリネットによる編成でした。
最初はメンバー紹介と共に、各々の楽器の紹介と音出しがありました。
演奏曲目はプログラム通りで、その他、秋にちなんで「里の秋」「小さい秋みつけた」「紅葉」による唱歌メドレーが演奏されました。
こちらは管楽器のアンサンブルの響きを堪能した演奏で、ママさんたちの実力に感心しましたし、バスクラの響きが特に魅力的でした。
今回は入場料500円で、しっかり元が取れた演奏会でした。
会場に着く前までは、聴きたいのは木管五重奏のほうで、歌謡ショーはおまけのようなものと思っていました。
当日の演奏は3部構成となっていて、1部と3部が東 亜樹さんによる歌謡ショー、そして中間の2部でvivo木管五重奏となっていて、各々のステージは休憩を挟んで各々30分ほどでした。
演奏曲目はチラシにも掲載されていますが、歌謡ショーの中で歌われたのはこの中の3曲だけでしたが、ヨーデル、テレビ番組の主題歌、日本の歌謡ポップス、演歌、それに昔の歌謡曲等々、幅広いジャンルの歌を披露してくれましたが、声量があり何れの曲もしっかりした音程でうまく歌っていました。
その中で、プログラムにもあったトラックの運転手に向けて「いすゞのトラック」の歌を披露してくれました。
また、彼女は今年の7月にハワイで公演を行っていることもあり、岡 晴夫の「憧れのハワイ航路」も歌いましたが、これが一番盛り上がりました。というのも私を含めて高齢者が多かったからです。(笑)
当日配布されたプログラムにはプロフィールが記載されており、会場でも話してくれましたが、カラオケバトルや多数のテレビ、ラジオの放送に出演している実力者であることが分かりました。
3部では歌の他にトークがあり、ステージに投げてもらっては困るものとして「入れ歯」「スリッパ」「靴下」で、投げても良いものは「おひねり」や金目のものだそうで、一同爆笑する場面もありました。
また、聴衆に声かけをして、歌に併せて手拍子やコブシを突き上げる場面もありました。
そして、彼女の誕生日が10月10日であることから、多くのご年配の男性がプレゼントを渡していたのには少々驚きましたが、楽しい歌謡ショーでした。
2部のvivo木管五重奏は、地元のママさんによる吹奏楽メンバーの中からピックアップされた5人による演奏でした。
木管楽器の五重奏といえば、フルート、オーボエ、クラリネット、ホルン、ファゴットとなりますが、今回はオーボエに替わってクラリネット、ホルンに替わってテナーサックス、ファゴットに替わってバスクラリネットによる編成でした。
最初はメンバー紹介と共に、各々の楽器の紹介と音出しがありました。
演奏曲目はプログラム通りで、その他、秋にちなんで「里の秋」「小さい秋みつけた」「紅葉」による唱歌メドレーが演奏されました。
こちらは管楽器のアンサンブルの響きを堪能した演奏で、ママさんたちの実力に感心しましたし、バスクラの響きが特に魅力的でした。
今回は入場料500円で、しっかり元が取れた演奏会でした。
マックス・ローチの2枚組アルバム「FORCE」は、今から47年前の1976年にあった中国と南アフリカでの2つの大きな出来事をテーマにしており、人種差別を始めとして常に社会問題に興味を示し、それを自身の演奏で表現をしてきたマックス・ローチらしいアルバムです。
ヴィリサウ・ジャズ・フェスティヴァルでのアーチー・シェップとの共演に遡って録音されています。
「FORCE」 UNITELEDIS UNI 28976
1. SWEET MAO
1) La Preparetion
2) La Marche
3) Le Commencement
2. SUID AFRIKA 76
ARCHIE SHEPP (ts) MAX ROACH (ds)
録音 1976年9月10日
このアルバムは、「Sweet Mao - Suid Afrika 76」の2つのテーマから成っており、“MAO”とは、「建国の英雄か残虐な独裁者か」と言われ、1976年9月9日に逝去したジャケットの表紙を飾る人物(Mao Zedong)のことで、これがこの2枚組レコードの3面を占めていて、彼が逝去した翌日にレコーディングされています。
A面の最初は、マックス・ローチのドラム・ソロから演奏が開始され、アーチー・シェップが加わってからは2人の激しいバトルがレコードB面の終わり近くまで延々と続き、C面に移って再びローチのドラム・ソロとなり、その後は最初と同様の演奏が展開されています。
レコードD面の「SUID AFRIKA 76」は、1976年6月に起こった反アパルトヘイト闘争に関連したタイトルですが、こちらは終始ダイナミックでリズミックなローチのドラミングが印象的で、シェップも前の3面に比較して淡々と演奏しています。
このアルバムは繰り返して聴くことはありませんが、マックス・ローチとアーチー・シェップのデュオ・アルバム関連として取り上げてみました。
ヴィリサウ・ジャズ・フェスティヴァルでのアーチー・シェップとの共演に遡って録音されています。
「FORCE」 UNITELEDIS UNI 28976
1. SWEET MAO
1) La Preparetion
2) La Marche
3) Le Commencement
2. SUID AFRIKA 76
ARCHIE SHEPP (ts) MAX ROACH (ds)
録音 1976年9月10日
このアルバムは、「Sweet Mao - Suid Afrika 76」の2つのテーマから成っており、“MAO”とは、「建国の英雄か残虐な独裁者か」と言われ、1976年9月9日に逝去したジャケットの表紙を飾る人物(Mao Zedong)のことで、これがこの2枚組レコードの3面を占めていて、彼が逝去した翌日にレコーディングされています。
A面の最初は、マックス・ローチのドラム・ソロから演奏が開始され、アーチー・シェップが加わってからは2人の激しいバトルがレコードB面の終わり近くまで延々と続き、C面に移って再びローチのドラム・ソロとなり、その後は最初と同様の演奏が展開されています。
レコードD面の「SUID AFRIKA 76」は、1976年6月に起こった反アパルトヘイト闘争に関連したタイトルですが、こちらは終始ダイナミックでリズミックなローチのドラミングが印象的で、シェップも前の3面に比較して淡々と演奏しています。
このアルバムは繰り返して聴くことはありませんが、マックス・ローチとアーチー・シェップのデュオ・アルバム関連として取り上げてみました。
ヴィリサウ・ジャズ・フェスティヴァルに関するアルバムの続きで、これはマックス・ローチとアーチー・シェップとのデュオです。
「THE LONG MARCH」 hat Hut 13 (2R13)
1. THE LONG MARCH
2. U - JAA - MA
3. TRIPTICH
1) Four Big Sid
2) Drums Unlimited
3) Papa Jo
4. SOUTH AFRICA GODDAM
5. J. C. MOSE IS
6. SOPHISTICATED LADY
7. IT´S TIME
MAX ROACH (ds) ARCHIE SHEPP (ts)
録音 1979年8月30日
曲目を見ても、2人が過去に録音している曲も含まれており、特にマックス・ローチは1960年代に自身の演奏を通して公民権運動に加わり「不屈の闘志」と言われた時代もありました。
また、1966年のアルバム「限りなきドラム」では、全6曲の内3曲がドラム・ソロのみという当時としては異質の内容でしたが、この2枚組でもその一部が再現されています。
このアルバムのタイトルにもなっている「THE LONG MARCH」は、26分を超える長い演奏で、ローチのドラム・ソロが大半を占める中で、アーチー・シェップが絶妙の間を持った演奏を展開しています。
シェップのオリジナルである「U - JAA - MA」は過去に幾度も収録されていますが、ここではローチのドラミングに支えられてシェップが本領を発揮して圧巻のパフォーマンスを繰り広げており、後半でローチのソロを経てテーマに戻っています。
ドラム・ソロの3曲の中では、ハイハットをステックで叩くPapa Jo の2分に渡る演奏が見事です。
「SOUTH AFRICA GODDAM」も、過去のアフリカ回帰を鮮明にした演奏に似ていて、曲の前後でローチのロング・ソロを挟んでシェップが魂の叫びのような演奏を披露しており、3拍子のこの曲の最初から最後までをローチの1拍目のバスドラがこれを支配しています。
「J. C. MOSE IS」は、再びドラム・ソロの演奏で、スネア、ハイハット、タムタムを駆使した見事なバチさばきによるドラミングはメロディックで論理的に構成されていて、ホーンのように美しく響きます。
唯一、スタンダードとなっているエリントンの「SOPHISTICATED LADY」は、シェップの単独によるソロで、いきなりアドリブからスタートし、後半になって「IN A SENTIMENTAL MOOD」の一節を引用しながらテーマに戻って締めくくっています。
最終曲の「IT´S TIME」は、ローチのドラミングとこれに絡むシェップのテナー・サックスによる激しい演奏からスタートし、後半でドラム・ソロを挟んで最後は2人の息の合った演奏で締めくくっています。
「THE LONG MARCH」 hat Hut 13 (2R13)
1. THE LONG MARCH
2. U - JAA - MA
3. TRIPTICH
1) Four Big Sid
2) Drums Unlimited
3) Papa Jo
4. SOUTH AFRICA GODDAM
5. J. C. MOSE IS
6. SOPHISTICATED LADY
7. IT´S TIME
MAX ROACH (ds) ARCHIE SHEPP (ts)
録音 1979年8月30日
曲目を見ても、2人が過去に録音している曲も含まれており、特にマックス・ローチは1960年代に自身の演奏を通して公民権運動に加わり「不屈の闘志」と言われた時代もありました。
また、1966年のアルバム「限りなきドラム」では、全6曲の内3曲がドラム・ソロのみという当時としては異質の内容でしたが、この2枚組でもその一部が再現されています。
このアルバムのタイトルにもなっている「THE LONG MARCH」は、26分を超える長い演奏で、ローチのドラム・ソロが大半を占める中で、アーチー・シェップが絶妙の間を持った演奏を展開しています。
シェップのオリジナルである「U - JAA - MA」は過去に幾度も収録されていますが、ここではローチのドラミングに支えられてシェップが本領を発揮して圧巻のパフォーマンスを繰り広げており、後半でローチのソロを経てテーマに戻っています。
ドラム・ソロの3曲の中では、ハイハットをステックで叩くPapa Jo の2分に渡る演奏が見事です。
「SOUTH AFRICA GODDAM」も、過去のアフリカ回帰を鮮明にした演奏に似ていて、曲の前後でローチのロング・ソロを挟んでシェップが魂の叫びのような演奏を披露しており、3拍子のこの曲の最初から最後までをローチの1拍目のバスドラがこれを支配しています。
「J. C. MOSE IS」は、再びドラム・ソロの演奏で、スネア、ハイハット、タムタムを駆使した見事なバチさばきによるドラミングはメロディックで論理的に構成されていて、ホーンのように美しく響きます。
唯一、スタンダードとなっているエリントンの「SOPHISTICATED LADY」は、シェップの単独によるソロで、いきなりアドリブからスタートし、後半になって「IN A SENTIMENTAL MOOD」の一節を引用しながらテーマに戻って締めくくっています。
最終曲の「IT´S TIME」は、ローチのドラミングとこれに絡むシェップのテナー・サックスによる激しい演奏からスタートし、後半でドラム・ソロを挟んで最後は2人の息の合った演奏で締めくくっています。