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ピアノフェスティバル 2022

2022-09-25 | クラシック
7月10日のブログで取り上げた今年の富士山河口湖ピアノフェスティバル2022
その中で、4グループが出演する9月24日のコンサートに行ってきました。
当日は、本プログラムの前にピクニック・コンサートがステージ奥の総合公園で開催される予定でしたが、台風15号の影響で中止となりました。
前日からホテルに泊まってこの日に備え、午前9時には雨が止んだので、少しは期待も込めて午前10時には会場に行ったのですが、中止と聞かされて残念な結果となりました。
下の写真は、本来ならば野外コンサートが開催されることになっていた公園と、落ちてしまった多くの栗です。

  

駐車場を会場の近くに確保したことから車を動かすのも躊躇ったため、開演までの5時間をどうしようかと考え、河口湖まで徒歩で行ってくることとしました。
湖畔までは片道40分程で、下の3枚目は河口湖が一望できるロープウエイがある天上山です。

   

また復路で一服したいと思い、立ち寄った和菓子屋さんでお茶をごちそうになりました。
出されたお菓子は芋の甘さが抑えられ、ニッキの香りもアクセントとなり美味しかったので、お土産に購入しました。
ちなみに、往復の万歩計は13,500を越えていました。

  

前置きが長くなりました。
午後2時15分を過ぎて開場となりましたが、関東一円からの車とバスで来られた人もいました。
当日は2,500名を超える聴衆で満席状態でしたが、4枚目の写真は演奏終了後に帰宅する聴衆の車です。
(会場内は撮影禁止のため、画像はありません)

 

下は、当日会場で頂いたプログラムで、開演に先立ち辻井伸行さんからの挨拶がありました。
その中で、「ピアノ・ガラコンサート」という言葉を強調されていました。
その言葉通り、当日はピアノを中心としてそれぞれ変わった4つのプログラムが組まれていました。

  

STAGE1ではヴァイオリン、チェロ、ピアノによる「坂本龍一曲集」で、6曲が演奏されましたが、4曲目の「シェルタリング・スカイ」が印象に残りました。

STAGE2の加古隆クァルテットは、同メンバーによる活動が10年以上続いているそうで、1曲ごとに曲に纏わる経緯も話してくれました。
曲目は、映画音楽(散り椿)や、NHKの番組(世紀の映像)からのものが取り上げられ、全員がベテランらしい堂々とした演奏ぶりで、特に植木さんのチェロのソロが素晴らしかったです。
また、特別に「黄昏のワルツ」をアンコールで演奏してくれました。

当日の目玉となるSTAGE3は、辻井伸行&フレンズで、ショパンのピアノ協奏曲第1番が、6人の弦楽奏者と共に室内楽版として演奏されました。
辻井さんの演奏は言うに及ばず、弦の鳴りは一つ一つの楽器が聞き取れるようで素晴らしく、その中で、2楽章のロマンツェ、ラルゲットにおけるピアノと美しい弦の響きが会場に広がり、全体を通してコントラバスのピチカットが印象に残りました。
そして、演奏が終わっても拍手が鳴りやます、2度のカーテンコールがあり、それに応えてショパンに関連して「練習曲10-12革命」を、力強い演奏で披露してくれました。

STAGE4のトリを務めたのは山下洋輔カルテットで、最初に山下さんから挨拶がありました。
彼は前日、名古屋から新幹線に乗りこちらの会場に来られたのですが、台風15号の影響により豊橋と浜松で長時間に渡り停車したため新幹線の中で一夜を過ごすことになり、急遽三島からこちらの会場に向かい18時間掛かってやっとのことで到着したのが開演1時間前の午後2時だったため、リハは残りの3人で行ったことからぶっつけ本番のステージでした。
演奏曲目は、以下の5曲で、
1) FOR ONE TAKE
2) グガン
3) 幻燈辻馬車
4) AUTUMN LEAVES(枯葉)
5) GROOVIN’ PARADE
枯葉以外は、全て山下さんのオリジナルでした。

その中で、故岡本喜八監督が構想していた映画のタイトルとなった「幻燈辻馬車」における川嶋哲郎のフルートは美しく、ステージ上で急遽打ち合わせが行われ、時間の関係で急遽取り入れたという「枯葉」では、本田珠也のドラム・ソロが強烈で、スティックの先端が折れて飛びました。
そして、「GROOVY PARADE」における坂井紅介のベース・ソロでは、8小節毎のフレーズの6、7拍目に聴衆の手拍子が重なって全員参加の演奏となるなど、非常に盛り上がったステージが繰り広げられました。
また、80歳になった御大の肘鉄を交えたピアノ演奏は相変わらずで、いつもと変りありませんでしたが、クラシックを中心とした聴衆の前と言うこともあり、美メロで非常にスムースな流れのアドリブを披露していました。
それから辻井さんが、この演奏を体を揺らせながらステージ横で聴いていたのが印象に残りました。

今回使用されたピアノは、ヤマハとベーゼンドルファーの2台で、この演奏会のために東京から運んできたのだそうです。
このホールは初めて来ましたが、音の響きも中々良かったです。
この日の演奏で、加古隆のみがベーゼンドルファーを使用していましたが、ヤマハの音は硬質で煌びやかで、一方のベーゼンドルファーは一層豊かな響きが素晴らしかったです。
4つのプログラムが終了したのは午後7時前で、各々休憩を挟みながらも凡そ4時間の演奏会で、十分元が取れる充実したコンサートでした。

以下の2枚のCDは、今回のコンサートで演奏された曲が入っているもので、
1)仲道郁代がワルシャワ国立フィルと演奏したショパンの「ピアノ協奏曲第1番」
2)山下洋輔トリオに川嶋哲郎が参加してフルートで演奏している「幻燈辻馬車(Illusional Carriage)」が収録されているニューヨーク・トリオ結成20周年アルバム「トリプル・キャッツ」
今日はこの2枚を、昨夜の演奏を思い出しながら聴きました。

 

なお、このコンサートの模様は昨年に続き、今回も後日BSフジで放映があるそうです。

[ 22.10.2追記 ]
後日、手持ちのCDをチェックしたところ、ライブ当日に山下洋輔グループが演奏した曲が更に2曲ありましたので、記録として残しておきます。
1)山下洋輔ニューヨーク・トリオ+1の「ミスティック・レイヤー」には、川嶋哲郎が数曲で参加しており、この中に「GROOVIN' PARADE」が収録されていました。
演奏時間は3分45秒と短かいですが、川嶋のプレイは当日の演奏より激しいです。
レコーディングは2005年11月となっており、アルバムでの共演はその時以来となります。
2)川嶋哲郎のファースト・アルバムである「エターナル・アフェクション」は、最初のレコーディングながらバックはケニー・バロンを始めとしたそうそうたるメンバーを従えての演奏集で、「枯葉」が収録されていました。
但し、この曲はピアノレス・トリオですが、演奏はあの日のプレイを思い出させる内容となっています。

 

コメント
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