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私の愛聴盤(第155回)

2021-06-20 | 私の愛聴盤
私の愛聴盤第155回は、デビュー原盤の「サド・ジョーンズ」です。
掲載したのは、OJCからの再発盤です。

「THAD JONES」 OJC - 625( DEB - 127)
  
 1. GET OUT OF TOWN
 2. ONE MORE
 3. BITTY DITTY
 4. MORE OF THE SAME
 5. ELUSIVE
 6. SOMBRE INTRUSION
 7. I CAN′ T GET STARTED
 8. I’LL REMEMBER APRIL
 9. YOU DON’T KNOW WHAT LOVE IS
10. CHAZZANOVA
THAD JONES (tp) FRANK WESS (ts) HANK JONES (p) JOHN DENNIS (p) 
CHARLES MINGUS (b) MAX ROACH (ds) KENNY CLARKE (ds)
録音 1954年8月11日、55年3月10日

デビュー・レーベルは、チャーリー・ミンガスと彼の奥様、そしてマックスローチが中心になって1952年に設立したレーベルであるからして、ミンガスのベースが強調されて収録されていますが、これは、「録音良し」、「演奏良し」の1枚です。

全10曲において、サド・ジョーンズの相方を務めるフランク・ウェスには申し訳ないですが、彼が抜けたカルテットの方の出来が素晴らしいです。
それは、1955年3月録音の4曲(1,2,4,7)と、1954年8月録音の2曲(8.9)で、4曲の方はピアノをジョン・デニス、ドラムスをマックス・ローチが担当し、このトラックではジョン・デニス (p) のモダンで貴重な演奏を聴くことができます。
一方2曲の方は、ピアノがハンク・ジョーンズ、ドラムスがケニー・クラークとなっています。

その中で、サド・ジョーンスがミュートを使っている演奏が2曲あり、アルバムの最初に収録されている「GET OUT OF TOWN」は意表を突いたイントロからスタートし、1コーラスをミュートで、続いてのオープン・トランペットではクリフォード・ブラウンにも匹敵する朗々としたプレイで、また最後は、再び1コーラスをミュートで締めくくるという展開になっています。
このミュート・プレイ部分は、ミンガスとのデュオで演奏されますが、曲の中間部ではレーベルの設立者であることの特権を生かしているかのように挨拶代わり(?)のベース・ソロもたっぷり挿入されています。
そして、もう1曲のミュート・プレイは「I CAN′ T GET STARTED」で、上記と同様に最初の1コーラスと最後の1コーラスをトランペットとベースのデュオで演奏しており、こちらも中々の名演となっています。
また、2曲目の「ONE MORE」は速いテンポの曲で、最初から快調に飛ばすサド・ジョーンズと、ジョン・デニスのピアノ・プレイが堪能できます。
「MORE OF THE SAME」は、面白いテーマを持った曲で、演奏の流れは「ONE MORE」と同様、後半でマックス・ローチのドラム・ソロが挿入されていますが、全体を通して、ここでのマックス・ローチは出しゃばらず、控えめなドラミングに徹しています。

ハンク・ジョーンズとケニー・クラークが参加し、スタンダードを演奏している「 I’LL REMEMBER APRIL」は、互いに手慣れた曲でサラッと流すような演奏となっており、唯一バラードで演奏される「 YOU DON’T KNOW WHAT LOVE IS」では、サド・ジョーンズの感情を込めた演奏を聴くことが出来ます。
このアルバムで聴くジョン・デニスのプレイは、ハンク・ジョーンズのタッチに似ており、はっきり区分けが出来ません。
ブルーノートの諸作を含め、このアルバムはサド・ジョーンズの実力が再認識できる1枚です。

コメント
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