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ヨーロッパのピアノレス・カルテット(CD)

2020-07-19 | JAZZ (CD)
ヨーロッパにもジェリー・マリガン&チェット・ベイカーと同じピアノレス編成の録音があります。
ここに掲載した2つのバンドは、いずれもマリガン&ベイカーのオリジナル・カルテットが演奏していた曲を取り上げています。

最初はノルウェーのトリオ(SUB TRIO)に、伊のトランぺッター、パウロ・フレスが客演した記録です。
「LIVE AT STING」 DRAVLE RECORDS DRA 1001
 
録音 2004年12月9日~11日

これは、2002年の最初の出会いを経て、その2年後にノルウェー各地をツアーした時の音源で、ライブ録音であることから各曲の収録時間が長く、スリリングな演奏が詰まっています。
バリトンサックスのJOHN PAL LNDERBERGは、マリガンを更にモダン化した奏法で、パオロ・フレスも一部でエレクトロ二クスを使った斬新なアプローチを披露するなど、マリガン&ベイカー・カルテットと同じ楽器編成でありながら、クールでアレンジもかっこよく、2人のインタープレイを重視した演奏が展開されています。
収録されている8曲の内、マリガン作曲の「LINE FOR LIONS」は、2度収録されていて、最初はバリトンサックスとトランペットの2人だけの掛け合いだけに終始し、途中からテーマが表われます。(2度目はエンディングに使用されています)

何れもが好演奏ですが、パオロ・フレスが加わったことで一層スリリングな展開となっています。
フレスのミュート・プレイはいつ聴いても素晴らしく、「IT´S YOU」と「MY FUNNY VALENTINE」でその真価を聴くことが出来るし、VALENTINEの後半部ではオープン・トランペットとエレクトロニクスによるソロがあり、最後はバリトンサックスとの掛け合いからそのまま最終曲の「LINE FOR LIONS」へと続いていきます。
このライブ盤は、8曲がいずれも変化を持ったアレンジと演奏で好演しており、何度聴いても新鮮に聞こえます。


続いては、伊から同じくバリトンサックスがリーダーとなったアルバムです。
「’S WONDERFUL」 TOSKY TSK 013
 
録音 2014年6月23~24日

実力派のバリトンサックス(MARCO GUIDOLOTTI)と、ローマを中心として活躍しているトランぺッター(FRANCESCO LENTO)による気合の入ったソロ・バトルが聴ける1枚で、バリトンサックスはペッパー・アダムスの様にエッジの立ったビッグ・トーンで、一方のトランぺッターはアート・ファーマー似のソフトな音色で、一部でフリューゲルホーンも吹いています。
1曲目にジェリー・マリガンの「REUNION」を、そして最後に「BERNIE′S TUNE」を持ってきているところなどは、相当マリガン&ベイカーを意識していることが想像でき、50年代のオリジナル・カルテットを彷彿させます。
全10曲の内9曲は、ミディアム以上の軽快なテンポで、フロントの2人のハード・ドライビングでパンチの利いたフレッシュな演奏が心地いいです。
また、唯一ゆったりしたテンポで演奏される「NIGHT LIGHTS」は、マリガンのそれと同じ展開で、バリトンサックス~トランペットがそれぞれメロディを2コーラスずつ吹いた後、アドリブとなりますが、これがまた素晴らしいです。

ここに掲載した2つのバンドを支えているのはベースとドラムスで、しっかりしたリズムによるサポートがスリリングな演奏の源となっています。

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