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レスター・ヤングのバークレイ盤 +1

2014-10-18 | JAZZ
前回、レスター・ヤング直系の4名のテナー・サックス奏者が登場したので、今度は、ジャズ史上重要な奏者の一人である彼の、晩年の1枚を取り上げてみました。

レスター・ウィリス・ヤング(Lester Willis Young) 1909年8月27日 - 1959年3月15日

ミシシッピ州ウッドヴィル生まれで、少々期はニューオリンズで過ごしています。
レスターは、父の影響で幼い頃から楽器になじみ、11歳でミネアポリスに移住してからは、父をリーダーとしてファミリーバンドを結成、19歳で独立し、中西部の名もないバンドを転々としていくつかの楽団を経験したのち、1933年にはミズーリ州カンザスシティに落ち着いて、カウント・ベイシー楽団に所属。
それまでテナー・サックスといえば、男性的なビック・トーンで説得力に満ちた表現で鳴らすコールマン・ホーキンスが全てを支配していたところに、レスターの正反対な、ソフトで優しい演奏スタイルが、徐々に人気を博していきました。
彼の名演奏はCBSとデッカにありますが、小さい音色で優れたフレーズを繰り出す彼の奏法は、ビックトーンでブローする他の奏者に見劣りしたため、それから逃れるために薬と深酒に侵されるようになっていきます。
後年は生活も荒れ、健康も損なわれて、演奏にも影響が出ていました。

さて、このアルバムですが、死のわずか10日ほど前に、フランスで録音されています。
59年の2月から3月にかけて、パリへの演奏旅行に出かけ、途中で体調が悪化し、ニューヨークへ戻ったホテルでは、旅から帰ったままの姿で発見されています。
そんな背景の中でレコーディングされたこのレコード、
「LE DERNIER MESSAGE DE LESTER YOUNG」 BARCLAY 84069
   
 1. LADY BE GOOD
 2. BACK HOME AGAIN IN INDIANA
 3. I CAN’T GET STARTED WITH YOU
 4. I DIDN’T KNOW WHAT TIME IT WAS
 5. THREE LITTLE WORDS
 6. PENNIES FROM HEAVEN
 7. TEA FOR TWO
 8. I COVER THE WATERFRONT
 9. A.B.BLUES
10. THERE’LL NEVER BE ANOTHER YOU
11. ALMOST LIKE BEING IN LOVE
12. LULLABY OF BIRDLAND
LESTER YOUNG(ts) UNE URTREGER(p) JIMMY GOURLEY(g) 
JAMIL NESSER(b) KENNY CLARKE(ds) 1959年3月4日 録音

ご覧の通りベイシー・バンドの十八番をはじめ、多くのスタンダードが並んでいます。
ミデアム・テンポの様な比較的早い曲も、フレーズは短いですが、スムースな流れで、彼の最後の執念を垣間見ることができます。
このような背景の中で、フランス勢の好サポートも見逃せません。


なお、59年8月録音のリーダー・アルバムに、上記と同じ編成のものがあります。
「THE PRESIDENT PLAYS WITH THE OSCAR PETERSON TRIO」 VERVE (MV2084)
 
バックはオスカー・ピーターソン・トリオとなっていますが、ギターのバーニー・ケッセルも加わったカルテットが努めています。
そして全8曲中、6曲までがバークレイ盤と同じです。
2枚を比較することはナンセンスですが、アドリブはスムースで、演奏時間も長いです。
因みに、アルバム・タイトルの「プレジデント」は、レスター・ヤングのニック・ネームです。

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