呼吸を合わせると言う言葉はよく使われると思うが、それは精神論ではなく実際の息を合わせるということである。
具体的には、体を動かすこと。
指揮者の呼吸や体の振りは曲想を表現しており、演奏者は指揮者の呼吸と同じ呼吸をすれば自然と体の動きが発生し、演奏を見ている人からは楽団全体が一つのうねりとなって生きているように見えてくる。
指揮者は前で棒を振ってリズムを刻んでいればいいのではない、だったらメトロノームで十分だ。指揮者は、曲想をその息と体の振りで演奏者に伝えなくてはならない。
指揮者のいないサークルでも状況は同じで、全員が全員の息を感じ同じ息をすれば自然と体が動き、全体が同期する。
いい合奏は、見た目にも全体が同期してうねり、そして音も全体が同期している。
照れくさいのもあるが、背筋をピンと伸ばしてお行儀よく、人に合わせた演奏をするのは結果的に、音楽が聴衆に届かず、音が鳴っているだけになる。
もう一つ、合奏で気をつけなくてはならないことがある。それは、頼らないと言うことだ。
同じパートを2人以上で担当していると、どうしても相手に頼りがちになる。
自分の自信のないところは、音が小さくタイミングも遅れがちになる。2人ともそうなると最悪で合奏全体に影響が出る。
相手に頼ってはいけない、自分の出すべき音は正しいタイミング・正しい音量で全体の呼吸に合わせて出さなくてはならない。
それから、もう一つ、大きな音を出すこと。
大きな音を出すことによって、小さな音が映えてくる。いわゆるダイナミックレンジの大きな演奏をすることだ。
とにかく、間違ってもいい。他のメンバーに迷惑をかけるのではないかなど考えなくていい。
間違ってもいいから、ノリのある、曲想の豊かな演奏をすれば、聴衆は満足し演奏している自分たちも満足できる。
みんなが満足できれば、多少の間違いは良いんじゃないの?