アジアと小松

アジアの人々との友好関係を築くために、日本の戦争責任と小松基地の問題について発信します。
小松基地問題研究会

与謝野晶子「日本国民 朝の歌」

2012年05月29日 | 読書
 『北陸中日新聞』の「今朝の言葉」(岡井隆)に「君死にたまふことなかれ」を批判する大町桂月に対する批判として、「さればとて少女と申す者誰も戦争ぎらひに候」を引用して、与謝野晶子を反戦歌人であったかのように扱っている。
 しかし、1932年には、与謝野晶子は「日本国民 朝の歌」を発表し、「第1次上海事変の日本人の忠義と正義」を歌っている。
 与謝野晶子のどこにも「反戦歌人」の痕跡もない。
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 ああ大御代の凜凜しさよ 人の心は目醒めたり
 責任感に燃ゆる世ぞ 「誠」一つに励む世ぞ
 空疎の議論こゑを絶ち 妥協、惰弱の夢破る
 正しき方(かた)に行くを知り 百の苦難に突撃す
 身は一兵士、しかれども 破壊筒をば抱く時は
 鉄条網に躍り入り 実にその身を粉と成せり
 身は一少佐、しかれども 敵のなさけに安んぜず
 花より清く身を散らし 武士の名誉を生かせたり
 其等の人に限らんや 同じ心の烈士たち
 わが皇軍の行く所 北と南に奮ひ起つ
 わづかに是れは一(いつ)の例 われら銃後の民もまた
 おのおの励む業(わざ)の為め 自己の勇気を幾倍す
 武人にあらぬ国民も 尖る心に血を流し
 命を断えず小刻みに 国に尽すは変り無し
 たとへば我れの此歌も 破壊筒をば抱きながら
 鉄条網にわしり寄り 投ぐる心に通へかし
 無力の女われさへも かくの如くに思ふなり
 況やすべて秀でたる 父祖の美風を継げる民
 ああ大御代の凜凜しさよ 人の心は目醒めたり
 責任感に燃ゆる世ぞ 「誠」一つに励む世ぞ
    ~~~~~~~~~
 
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