20250719企画展「犀星と戦争」(7/12~11/9)について
室生犀星記念館で、「犀星と戦争―逃れられぬ時代に、どう在るか」が開催されており(11/9まで)、展示資料を見に行ってきた。5年前に、『室生犀星の戦争詩について』を発行し(石川県立図書館に蔵書)、犀星に関心ある人々からは、それなりに注目されたが、その後5年間で「犀星と戦争」についての論考に、どのような進捗があったのかを確認したか . . . 本文を読む
20250410 脱北文学を読む
キム・ユギョンの短編小説集『青い落ち葉』(2025年)を読んだ。「平壌からの客」、「自由人」、「チョン先生、ソーリー」、「青い落ち葉」、「チャン・チェンの妻」、「あの日々」、「将軍を愛した男」、「ご飯」、「赤井烙印」の9作品が収められている。
著者は朝鮮民主主義共和国(北朝鮮)から脱出したあと、2000年代に韓国に定着した作家であるが、脱北する前の北朝鮮民衆 . . . 本文を読む
『<会社>と基地建設をめぐる旅』を読んで
2000年3月に小松基地爆音訴訟原告の竹内伊知さんとともに辺野古を訪れたことを思い出しながら、『<会社>と基地建設をめぐる旅』を読んでいます。
1995年に3人の米兵による12歳の少女にたいする強姦事件があり(この30年間どんなに苦しんできたことでしょうか)、普天間基地の名護市辺野古への移転計画が発表され、1997年の名護市 . . . 本文を読む
20230904アナログ爺が、『堤未果のショックドクトリン』(2023年刊)を読む
「ショックドクトリン」という聞き慣れない言葉の理解からはじめなければならなかった。堤は「ショックドクトリンとは、テロや戦争、クーデター、自然災害、パンデミック、金融危機、食糧不足、気候変動などショッキングな事件が起きたとき、国民がパニックで思考停止している隙に、…新自由主義政策(規制緩和、民営化、社会保障切り捨 . . . 本文を読む
20230831 『羊の怒る時』(江馬修著)を読む
東京都知事・小池百合子が関東大震災・朝鮮人犠牲者追悼式への追悼文を送らないことについて、斉藤美奈子さんが、「けしからぬ」と怒りを込めて、表記の本を推奨している。
金沢市立図書館で検索すると、ヒットし、借り受けてきて、一気に読んだ。関東大震災が1923年9月1日で、本書は1924年10月から書き始め、1925年3月に脱稿し、10月に発行された . . . 本文を読む
20230401『花の結び目』(時実新子)を読む
知人のWさんが、最近発刊された『反戦川柳人 鶴彬の獄死』(佐高信)をプレゼントしてくれた。玄関先で少し立ち話をしたときに、『花の結び目』(時実新子)が話題になり、その後図書館で借りだした。
時実新子は1929年生まれで、16歳で敗戦を迎え、戦後に川柳を詠みはじめ、1981年に『花の結び目』を刊行し、2007年に亡くなっている。
同著「九の章 . . . 本文を読む
20221101 『第3次世界大戦は、もう始まっている』を読む
エマニュエル・トッド著『第3次世界大戦は、もう始まっている』(2022/6)には、①「第3次世界大戦は、もう始まっている」(2022/3)、②「ウクライナ問題をつくったのはロシアではなくEUだ」(2017/3)、③「ロシア恐怖症は米国の衰退の現れだ」(2021/11)、④「ウクライナ戦争の人類学」(2022/4)の論考が掲載され . . . 本文を読む
20220919 A君とのウクライナ討論
ようやく、ロシア・ウクライナ戦争を冷静に見る目が生まれつつあるようだ。9月18日付けの『北陸中日新聞』書評欄には。『第三次世界大戦はもう始まっている』(エマニュエル・トッド)の書評が掲載された。さっそく本屋に走ろうと思う。
A君とのウクライナ討論
2月24日に、ロシアによるウクライナ侵略が始まったが、この戦争の性格については、「20220306 日 . . . 本文を読む
『僕の狂ったフェミ彼女』(ミン・ジヒョン著/2019年/日本語版2022年)
題名が気に入らなかったが、読むことにした。図書館から借りて戻ると、連れ合いが先に、「読みたい」という。笑いを抑えながらか、ときどき、「こんなんよ!」と感想を話してくれ、読み終えたあと、私の手元に来た。
フェミニスト「彼女」と「普通」の青年スンジュンの世界観の対立とズレの物語である。スンジュンは愛を育んで、結婚して . . . 本文を読む
『地球が燃えている』(ナオミ・クライン著2020年発行)を読む
斎藤幸平が「気候崩壊は新たなショック・ドクトリンとエコファシズムを生み、さらには文明を崩壊させる。だからこそ、資本主義に終止符を打ち、脱成長型経済をめざすグリーン・ニューディールが必要だ。『社会主義か、絶滅か』。これは、かつてないほどラディカル化したナオミ・クラインによる革命の書だ!」という書評に刺激されて、読んでみたが…。
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