島清少年期の社会的背景
島田清次郎(戸籍は嶋田)は1899年に、石川県美川町南町で、海漕業の島田常吉とみつの間に生まれた。当時の日本は1894年日清戦争(賠償金と台湾略奪)後の、強兵富国政策を強硬に推しすすめ、資本主義を強引に成熟させる過程であり、それは天皇制暴力を背骨にした弾圧と専制の政治支配であった。島清が生まれる直前の1897年は凶作と恐慌が重なり、労働者農民の生活は困窮を極め、労働組合 . . . 本文を読む
島田清次郎の動揺 社会主義か、国家社会主義か
①日本社会主義同盟加盟
島清は1920年8月に、堺利彦、山川均、大杉栄ら社会主義者、赤松克麿(新人会)、和田巌(建設者同盟)、麻生久(大日本労働総同盟友愛会)、布留川桂(正進会)など労働組合代表、大庭柯公(著作家組合)、嶋中雄三(文化学会)、小川未明など幅広い団体と個人30人によって呼びかけられた日本社会主義同盟に加盟している。3000人もが加盟し . . . 本文を読む
島田清次郎の階級意識
島清の資本主義観
まず、島清の資本主義批判について確認しておこう。『地上』第1部(1919年2月脱稿、6月出版)では、
と。
『地上』第2部(1920年出版)では、
、と。
『閃光雑記』(1921年出版)では、
島清は(151)と、『資本論』を読んだことを明かしている。
その上で、『地上』第3部(1921年)では、
と、資本主義下の労働者階級の様子を述 . . . 本文を読む
日韓条約で「完全かつ最終的に解決」か? ― 否!
2018年11月29日の立憲民主党のHPによれば、
「韓国最高裁が元徴用工と主張する韓国人男性らの訴えを認め、三菱重工業に損害賠償を命じた確定判決については、「こうした判決が出るに至ったプロセスも含めて大変遺憾に思っている。国際公法と国際私法、韓国の司法制度との狭間の非常に難しい問題だ。一義的には日韓請求権協定に基 . . . 本文を読む
20181202 島田清次郎再読
来年2019年は島田清次郎(1889~1930)が生まれて120年、『地上』が発表されて100年の年である。島清の著作、杉森久英(1912~1997)の『天才と狂人の間―島田清次郎の生涯』(1962年)を再読し、映画『地上』(1957年・東映)、ドラマ『涙たたえて微笑せよ明治の息子島田清次郎』(1995年・NHK)を観なおした。(杉森の著書標題に差別的表現があ . . . 本文を読む