3675:花寒

　4月はゴルフコンペの多い月である。季節が変わり暖かくなり、桜なども咲きだして、ゴルフにはうってつけの季節だからであろう。

　しかし、今日はそうとばかりも言ってられない気候であった。気温がとても低かった。特に午前中は10度に達しない気温が続き、4月とは思えない肌寒さであった。

　さらに、霧雨のような雨が午前中は降っていた。やがて、この雨は止んだが、雨は体感気温をぐっと下げるとともに、ゴルフに対する意欲も大きく降下させる働きもした。

　今日は顧問先の会社が主催するゴルフコンペであった。場所は武蔵OMGゴルフクラブ。朝でかけけに車のナビでこのゴルフ場を名前で検索したが、出てこなかった。住所で検索すると「武蔵富士カントリー倶楽部」と表示された。

　名称が変わっていた。数年前に経営母体が変わったのであろう。車のナビは6年前のデータである。こういうことは時折起こる。新設された道などのデータもこの古いナビには登録されていないので、時折ナビの画面上は道のないところを走ったりもする。

　ゴルフは今年2回目。仕事半分で純粋な趣味ではない。さらに最近は練習場に行くことも全くなく、スコアは当然の結果として低迷している。

　先週今年初めてのゴルフに行った。その時のスコアは48＋48＝96であった。ほぼ8割の確率で100を叩くと思っていたが、どうにか90台で納まった。

　今日も小雨が降り続く空を見上げながら「8割がた、100叩きになるだろうな・・・」と気分はそれほど浮かれたものではなかった。

　ゴルフ場の桜はちょうど満開であった。その薄ピンク色が小雨に煙っていた。眺めているだけであれば情緒があるが、これからこの寒い中しかも雨に濡れながらゴルフをするのかと思うと、情緒というものは軽く吹き飛んでしまう。

　テンションが低いまま乗用カートに乗り込んで、INコースのスタートホールである10番のティーグランドに向かった。

　天気予報では雨は午後には止むと伝えていた。しかし、スタート時間である9時30分においては依然降り続いていた。

　しかも風は軽い向い風。薄手のダウンの上着を着ていたが、体が寒さで小刻みに震えた。「4月のゴルフでこの寒さか・・・明日ならきっと暖かいはずなのに・・・」と少々恨み節の独り言も心の中で響いた。

　順番をきめるクジ引きで一番を引いてしまった。ティーグランドに立って、ボールをセット。2，3度素振りをしてから、ドライバーを振った。