人が生活すれば、自然と物が増えていくのは仕方ないとして、どうしてこうも物が多いんだと持ち物を見て愕然とすることがある。
カフェを始める時、リフォームのために慌てていろんなものをダンボールに詰め込み、開店のために押入れや物置に放り込んでいた。そのうち落ち着いたら整理し直そうと考えていたが、この3年のうちに、整理どころか物は増える一方で家中の収納がパンパンになってしまった。衣替えの季節になり、ストーブを片付けて扇風機を出そうとするだけで、押入れの中の物を一旦外へ出し、ようやく奥の方から引っ張り出す。そして再び外に出した物を押入れに詰め込むのだが、また次の時には同じことを繰り返すのかと思うと、さすがに自分に対して堪忍袋の尾が切れてしまった。いい加減、整理せんかぁぁぁ。
暑い上にフラストレーションが溜まる一方なので、昨日の月曜日、タミちゃんが有休を取っていたのを機会に、一緒に家の片付けをすることにした。何に使うのかわからないコードだの、ここ長年袖を通すことのなかった服だの、いつか必要になるかもしれないと取っておいた領収書だの、出てくるわ出てくるわ。ゴミ袋の数は増えていくのに、片付いている気配がない。
それでも少しだけすっきりし、残りはまた今度のお休みの時ということにして、着なくなったけど捨てるにはもったいない服を何着かリサイクルショップに持っていくことにした。ただのゴミじゃないかと思うけど、それでも引き取ってくれるというので半信半疑、車で出かける。
受付を済ませると、持ち込んだ服の評価に時間がかかるというので、店内をぶらぶらして待つ。500円にもなれば、少しは昼飯代の足しになるなあなどと甘い観測をしたくなるのは、店内に置いてある履き古した靴だとか、ヨレヨレのコートだとかに、買値とあまり変わりないくらいの値札が付いているからだ。ビンテージ物というのだろうか、そういうのが趣味の人にとっては元値より高くても掘り出し物として価値があるのだろう。
順番が来たので受付に行くと、持ち込んだ服の評価額は、合計で88円だった。ガソリン代とここまで足を運んできた時間分を合わせると、さっさと捨てた方が正解だったかもしれない。
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