昨夜ACLの2ゲームがあった。鹿島が韓国チームに、セレッソが中国チームに、それぞれ0対1、1対3で負けた。二つとも酷いゲームで必然の敗戦、去年10年ぶり近い浦和優勝が夢みたいな話しに見えたものだった。 ただし、去年の浦和はもう死にものぐるいで敵ボールに寄せ、当たって、身方ボールの繋ぎも早める事ができるように、肉弾戦に負けていなかった。今年の4チームの、寄せ・当たり、早めの繋ぎの、何とお上品で、拙かったことか。鹿島も含めて、あれでは勝てない。
川崎と柏のACLゲームも観てきたが、弱くなった原因はたった一言、寄せが遅いし、当たられ弱いからパスが乱れることである。そしてもう一つ、この事に関連して日本選手の視野が、「今の世界の寄せ・当たり水準」で言えば、昔よりも敵との相対的関係で大変狭くなっているのではないか。
さて、ACLの日本の歴史を振り返ってみよう。2010年までの「繋ぎ」の日本勢は強かった。ところがそれを過ぎるとすっかり勝てなくなった。その原因が当たり弱さにあったことも、ゲームを観ていれば一目瞭然であった。特に、ACLに慣れていないチームほど弱かった。今回のセレッソや柏のように。つまり、Jリーグとは全く違う闘い方をしなければ勝てなくなっていたのである。
一言で言えば「ボールの奪い合いの闘争」になってきた。そして今回、昔から当たり強い韓国勢が3チームも勝ち残っているのとは、日本勢は対照的な大会になってしまった。当たり強い韓国が繋ぎを覚え、繋ぎの日本の鹿島や浦和がACLでは当たり強さを必死に出して勝ち始めたのだが、ここにきてまた中国、韓国勢に抜かれたという感が強い。
なお、上に述べた視野の問題であるが、昨日の鹿島を見ても分かるように、速い寄せと当たりに弱い(ゲームをしている)ということは、これが強い相手にはパスも乱されるということである。鹿島の「ミスパス」が何と多かったことか! 早めに周囲を遠くまで見て、早めにパスを出せなければ、当たりの速い相手なら常にパスが乱されるということだ。今繋ぎのサッカーの質を高めるというのなら、猛烈な寄せと当たりの中でこれを鍛えねばならない。相手が身方ボールに押しよせてくるのが速くて、周囲情報を得る時間、判断する時間がないから、周囲が見えないままの苦し紛れのパスはミスパスになる道理である。ましてや身方ボール保持者が、当たられることに敵よりも優っているという自信がないならば、繋ぎゲームなどで勝てるわけなどないのである。
ドルトムントのゲーゲンプレスが世界に広まった2010年過ぎから、世界サッカーがどんどんこうなってきた。ゲーゲンプレスとは、コンパクトな陣形(下の注参照)を敷いた上で、敵ボールに突っかける選手以外の身方選手は敵のパス先を塞ぐというボール強奪フォーメーションなのだから。こういう世界になったわけだから、周囲が早く見えなければパスが乱されるし、ボールを盗られることも多くなる。
さて、西野監督は当然こういう世界傾向は知っていよう。が、これに対する対策にも通じているのであるか! 全くそうとは思えない。彼がガンバでアジアを制したのは、こういう世界傾向の前の時代のことだったのだから。
やはり、ハリルの日本強化策は正しかった。2010年過ぎから「こういう当たり」の世界にどんどんなって来たのだから、「手数少なくパスを縦に速く繋ぐ攻撃で」というその攻撃戦略が、日本には必須だったということだ。
対策としては、外国籍選手で固めることである。1対1だけの強さを重視するような視野の狭い選手は使うべきではない。ゲーゲンプレス・フォーメーションを使うならば、1対1で抜かれても、直後に身方がボールを取ることができるように寄せるなどということは当たり前に起こることである。特に、ニコ・コバチ監督があれだけ褒めている長谷部は絶対に外せない。敵のゲーゲンプレスにも強い中盤だからこそドイツで絶対的ボランチがやれて来たのである。同様の意味で、香川はともかく、岡崎、吉田も本田も外せない。二人とも当たりに強いからである。ただ、本田の繋ぎすぎる性格は、今の日本には合わない面がある。岡崎と吉田は、世界で最も寄せが速く、当たりが激しいプレミアで十二分にやれて来たのだから、使わない手はない。むしろ、日本代表が守備陣なら岡崎を、攻撃陣なら吉田を、それぞれ練習相手にして、鍛えるのがよいだろう。
ゲーゲンプレスの創始者、ユルゲン・クロップがプレミアでついに頭角を現してきた。得点ばかりに偏って失点が多いチームが、見違えるようにこれを減らしてきたのである。ヨーロッパ・チャンピオンズ・リーグでリバプールが優勝するかも知れない情勢にもなったと思う。クロップの失点防止法が、次の時代の世界の脚光を浴びていくことだろう。それも、クロップらしく得点は多いままで失点を減らしはじめたということだから、要チェックだ。
注 コンパクト陣形 コンパクトとは「小さいけど中身が詰まった」というような意味。この場合は、身方の前と後ろを前は下がり目で後ろは上がり目として縦に詰めた密集陣を作って、敵ボールを奪おうという陣形のこと。「コンパクト・プレス」といえば、そのような陣形で全員で敵ボールに圧力を掛け、ボール奪取を狙う事を指す。密集陣形の中では、敵ボール保持者に突っかける選手、この敵からボールを受けるべく走っている敵のなるべく全員に、パスを受けられないように塞ぐ選手と、それぞれその瞬間に応じてきっちり役割がある。こう言うコンパクト陣形は前の方でも後ろの方でも作ることがある。なお、これがゲーゲンプレスと呼ばれている戦術の基礎的知識である。
川崎と柏のACLゲームも観てきたが、弱くなった原因はたった一言、寄せが遅いし、当たられ弱いからパスが乱れることである。そしてもう一つ、この事に関連して日本選手の視野が、「今の世界の寄せ・当たり水準」で言えば、昔よりも敵との相対的関係で大変狭くなっているのではないか。
さて、ACLの日本の歴史を振り返ってみよう。2010年までの「繋ぎ」の日本勢は強かった。ところがそれを過ぎるとすっかり勝てなくなった。その原因が当たり弱さにあったことも、ゲームを観ていれば一目瞭然であった。特に、ACLに慣れていないチームほど弱かった。今回のセレッソや柏のように。つまり、Jリーグとは全く違う闘い方をしなければ勝てなくなっていたのである。
一言で言えば「ボールの奪い合いの闘争」になってきた。そして今回、昔から当たり強い韓国勢が3チームも勝ち残っているのとは、日本勢は対照的な大会になってしまった。当たり強い韓国が繋ぎを覚え、繋ぎの日本の鹿島や浦和がACLでは当たり強さを必死に出して勝ち始めたのだが、ここにきてまた中国、韓国勢に抜かれたという感が強い。
なお、上に述べた視野の問題であるが、昨日の鹿島を見ても分かるように、速い寄せと当たりに弱い(ゲームをしている)ということは、これが強い相手にはパスも乱されるということである。鹿島の「ミスパス」が何と多かったことか! 早めに周囲を遠くまで見て、早めにパスを出せなければ、当たりの速い相手なら常にパスが乱されるということだ。今繋ぎのサッカーの質を高めるというのなら、猛烈な寄せと当たりの中でこれを鍛えねばならない。相手が身方ボールに押しよせてくるのが速くて、周囲情報を得る時間、判断する時間がないから、周囲が見えないままの苦し紛れのパスはミスパスになる道理である。ましてや身方ボール保持者が、当たられることに敵よりも優っているという自信がないならば、繋ぎゲームなどで勝てるわけなどないのである。
ドルトムントのゲーゲンプレスが世界に広まった2010年過ぎから、世界サッカーがどんどんこうなってきた。ゲーゲンプレスとは、コンパクトな陣形(下の注参照)を敷いた上で、敵ボールに突っかける選手以外の身方選手は敵のパス先を塞ぐというボール強奪フォーメーションなのだから。こういう世界になったわけだから、周囲が早く見えなければパスが乱されるし、ボールを盗られることも多くなる。
さて、西野監督は当然こういう世界傾向は知っていよう。が、これに対する対策にも通じているのであるか! 全くそうとは思えない。彼がガンバでアジアを制したのは、こういう世界傾向の前の時代のことだったのだから。
やはり、ハリルの日本強化策は正しかった。2010年過ぎから「こういう当たり」の世界にどんどんなって来たのだから、「手数少なくパスを縦に速く繋ぐ攻撃で」というその攻撃戦略が、日本には必須だったということだ。
対策としては、外国籍選手で固めることである。1対1だけの強さを重視するような視野の狭い選手は使うべきではない。ゲーゲンプレス・フォーメーションを使うならば、1対1で抜かれても、直後に身方がボールを取ることができるように寄せるなどということは当たり前に起こることである。特に、ニコ・コバチ監督があれだけ褒めている長谷部は絶対に外せない。敵のゲーゲンプレスにも強い中盤だからこそドイツで絶対的ボランチがやれて来たのである。同様の意味で、香川はともかく、岡崎、吉田も本田も外せない。二人とも当たりに強いからである。ただ、本田の繋ぎすぎる性格は、今の日本には合わない面がある。岡崎と吉田は、世界で最も寄せが速く、当たりが激しいプレミアで十二分にやれて来たのだから、使わない手はない。むしろ、日本代表が守備陣なら岡崎を、攻撃陣なら吉田を、それぞれ練習相手にして、鍛えるのがよいだろう。
ゲーゲンプレスの創始者、ユルゲン・クロップがプレミアでついに頭角を現してきた。得点ばかりに偏って失点が多いチームが、見違えるようにこれを減らしてきたのである。ヨーロッパ・チャンピオンズ・リーグでリバプールが優勝するかも知れない情勢にもなったと思う。クロップの失点防止法が、次の時代の世界の脚光を浴びていくことだろう。それも、クロップらしく得点は多いままで失点を減らしはじめたということだから、要チェックだ。
注 コンパクト陣形 コンパクトとは「小さいけど中身が詰まった」というような意味。この場合は、身方の前と後ろを前は下がり目で後ろは上がり目として縦に詰めた密集陣を作って、敵ボールを奪おうという陣形のこと。「コンパクト・プレス」といえば、そのような陣形で全員で敵ボールに圧力を掛け、ボール奪取を狙う事を指す。密集陣形の中では、敵ボール保持者に突っかける選手、この敵からボールを受けるべく走っている敵のなるべく全員に、パスを受けられないように塞ぐ選手と、それぞれその瞬間に応じてきっちり役割がある。こう言うコンパクト陣形は前の方でも後ろの方でも作ることがある。なお、これがゲーゲンプレスと呼ばれている戦術の基礎的知識である。
実際は勝てないで馘だよ。
英語で言ったら、「カウンタープレス」、
ハリルが、失敗した、まさに、それなのに。
なお、僕はこう言ったのである。「ゲーゲンプレス以来、サッカーのボール奪取戦術と当たりの速さ、厳しさとが、年々高まってきた」と。アジアでも元々当たり弱かった日本は、それにやられているわけだ。
それにしても、去年優勝の川崎がACLでまだ一勝も出来ない。Jで繋ぎが最もうまいチームがこれだから、代表が繋げるわけがないのだ。西野、大丈夫か?
・・それは、ダメだったし。
・・「岡崎、吉田も本田も外せない。二人とも(三人じゃん)当たりに強いからである」岡崎が当たりに強いとか、どこの夢物語?