本日午前、標記の事でコメントを書いた。大事な事だから、これをエントリーに格上げしておきたい。
【 判明している事 (文科系) 2014-01-24 10:50:23
判明している事はこれだけと、現時点の僕は観ている。
①海自おおすみは単なる輸送船ではなく、軍隊が敵前上陸などに使う艦艇。今では、小型空母のようなものに進化しているようだ。また、釣り船トビウオをやり過ごしてから第3者の貨物船をやり過ごしたのも事実である。また、貨物船をやり過ごしてから島の間の狭い航路を抜けるべく低速で急左折もしていた。なお、おおすみからの証言は何も出ていない。今後予想される刑事裁判をにらんで当然のことながら、報道統制が引かれている。海保にも、義務的資料提供以外は何も無いのも当然のことだろう。
②衝突は8時前だが、上記左折低速後7時43分から49分までに21キロー32キロ時へと速度が上げられている。衝突時は32.2キロ時であったと推定される。それから急減速されたのは、その速度で衝突したからだろう。
③それぞれの衝突箇所の傷はこの通り。おおすみの左舷中頃から船尾まで傷がある。トビウオは右舷後方に傷がある。
僕はこの問題を、こう述べた。僕の当初のコメントの語尾にもよく注意して欲しい。
「僕はこんな光景を思い浮かべた」
「その結果、(心ならずも)衝突」
「これが杞憂に終わることを祈りたい」
例え僕のこのコメントに傷が付いたとしても、真実をきちんと追っていきたいと思っている。それぐらいの公正性を求めないなら、議論などしない事だと考えているから、僕は現にここでもこう振る舞ってきた。そうでない議論ばかりがここの右の人々から提起されてきたと理解している。不利になったら「平行線」とか無回答とかと、いつでも逃げていく連中ばかりだった。最近は、サッカー論議でもそんなのばかり。公正性など吹っ飛んでいる。嘆かわしい時代である。】
皆さん、ご自分がどういう観測を持ったかという事を乗り越えて、あるいはそんな些末な事は脇に置いて、この事件の行く先を見定めようではありませんか。08年2月に千葉県沖で起こったイージス艦による釣り船父子死亡事件のように「あたご側の監視不十分が主因」というような海難審判結果が出るかどうかを。さらにまた、1988年7月の神奈川横須賀沖の潜水艦「なだしお」衝突による「30人死亡事件」でも、今度は刑事裁判の方で「なだしおが前進強速をかけた過失行為が事故の一次的原因」と認定して「なだしお艦長が、相手船長共々有罪」となっている。なんせ自衛艦絡みの海難事故はこの10年でも5件と、2年に一度の割合で発生ということだ。道路などで大型特殊トラックと軽自動車の衝突などが起こった場合、結果責任が大きくなる超大型車の方により大きな責任が課されるのは当然の事だろう。この原則は海の場合でも通用し、相手を右側に見る船のほうに回避責任があるという通常の一規則よりもはるかに大きいもののようだ。他の小船が近づけないような「そこのけ!」は、当然のことながらダメなのである。それが通るなら、規則不要という理屈になってしまう。他にも、双方並行とか、どちらかが抜きかけた時とか、相手航路を横切るときなど、多くの場面別規則もあるようだ。今回がどの場合に該当するかそのものが、自衛艦側の証言が何も無いのではっきりしていない。提出義務がある航跡記録などでは、相手との関係そのものは欠けざるを得ないのである。自衛艦側の証言がないことについても、それはそれで後で予想される刑事事件に向けて、正当な黙秘権があるという事なのか。この事一つをとっても、国家対私人の裁判としては今や国家が優遇されすぎている、つまり国家主義的なように僕には思われるが。せめて守秘義務でも付けて、海保にはきちんと証言するというような事だけでも、出来ないものだろうか。
なお、(以下は後の25日に付け加える事だが)海難審判はないことになるのだそうだ。一方の船長が死ぬとそうなるということだった。刑事裁判だけになると余計証言などは出にくいだろう。マスコミも当然話題にしにくくなるはずだ。それにしても、釣り船のGPSやレーダーなどのことが全く出てこないのはどうしてだろう。おおすみのAIS・自動識別装置記録は出てきているのに、その証言は〇。釣り船と全く対照的だなー!