昨日、標記のことで二つのコメントを書いた。一つは、当ブログ拙稿『大東亜共栄圏という言葉の嘘 2020年07月29日 』に。今一つは、僕が愛読しているうちに友人のような積もりになっているあるお方のブログのあるエントリーに。以下にそれぞれを転載して、若干のコメントを付けたい。「大東亜共栄圏」等という言葉が、少なくとも当時の日本や朝鮮半島の政治体制を知っている他アジア知識人には通用するわけもない全く独り善がりなものなのであった。そんな言葉でもってあの戦争の大義名分が内外に示されると考えていた当時の日本国家って、独り善がりを通り過ぎた愚か者と違うかとさえ思うのである。以下に、その訳、証明を書いた積もりだ。特に日本は、こんな独り善がり用語で他のアジア人を結集できると考えるほどに主観主義だったからこそ、アメリカの出方、その爆発力を見誤ったのだろう。流石に、政治を知らず、分からぬ軍人国家である。
『 大東亜戦争の項ですから、シンさんにもう一つご質問。しっかり答えて下さいね。
大東亜共栄圏の中に入った諸国民はどうなるのでしょう。みんな国民ではなく日本天皇の臣民ですよね。天皇の醜の御楯(シコノミタテ)だ。そんな人生に換わるのをアジアの人々が喜んだでしょうか。「西欧に征服されていた植民地国などは、喜んで臣民になった」って?
他方、日本はアメリカに占領されて、日本国民は醜の御楯から解放されたわけですよ。これによって、どれだけ日本人の幸せが増進したかって思いません? これにも是非お答えをお願いいたします。』
『 重ねて、一言。
日本では太平洋戦争見直し論議が盛んですが、これも政治右傾化の翼賛論議なのであって、最も肝心な点を一言。
日独は、それぞれ天皇制と、狂気に近い人類淘汰思想から出たユダヤ人殺しの国。前者が占領した地域の国民は、国民ではなく準臣民ですよね。朝鮮半島を見れば分かるとおりに。それらが世界にも分かっているから、1941年初めのようにヨーロッパがドイツに征服されるかも知れないという情勢にアメリカが手をこまねいているはずがなかったのだ。ドイツが(ヨーロッパ戦線で)勝てば、次は「雑多な劣等民族国」アメリカも滅ぼされると、当時の米知識人なら皆考えましたよ。つまり、モンロー主義など、通せる訳がなかった。
ちなみに、有名な1940年後半の「バトル・オブ・ブリテン」にヨーロッパ中の国々の民主主義人士がはせ参じて、かろうじてドイツによる征服を凌ぐことが出来たのも(ヒトラーはイギリスに降伏勧告を出していました)、そういうユダヤ人殺しの反国際民主主義勢力から民主主義を守るという大義名分が勝ったということでしょう。
日独が世界を征服する瀬戸際まで行っていて、これを英米ソが中心になって食い止めたのは、正義が勝ったとは言いませんが、とにかく相手側が勝つ世界に比べたら日本国民も含めて、どれだけ良かったことかとは今よく思いますね。』
ネット右翼諸氏には、細かい「太平洋戦争見直し論」などの何よりもまず、上の質問にこそ答えてほしいものと、いつも考えてきたところです。さらには、もし独日がアメリカをも負かしたら、次は、握った西欧の全軍事力を挙げたドイツによって、日本が、滅ぼされたことでしょう。ヒトラー流人類淘汰思想から見たら、日本など「劣等民族」も良いところだったのでしょうから、「人類の進歩のために犠牲になっていただきます」ということ。ドイツと組んで他を負かすということは、その最終結末が日本にもこのように及ぶということを考えたのかどうか、あの天皇・軍人国家は結局馬鹿ですね。