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南京虐殺の経過と史実

2020年01月15日 11時08分50秒 | 歴史・戦争責任・戦争体験など

 右の方々の訪問が増えている折、2015年に所属同人誌に載せた旧稿の再再掲ですが、大事なものなので何度でも。


南京虐殺の経過と史実  文科系 019年11月28日 | 歴史・戦争責任・戦争体験など

 あんたも無知丸出しかい? 南京市民より死者が多い三十万人などというヨタ話を、ほんとに信じるの?」
 今度の相手も上から目線でこちらを頭から押さえ込んで来た。いつも同様、僕のブログの過去文章を読んでいないことも丸分かり。丁寧に反論する。

 ①虐殺直前に、日本軍がしかけた上海上陸攻防の大激戦が三か月続いた。そこの中国軍三〇万が揚子江すぐ上流の首都・南京城めがけて潰走し、日本軍がこれを我先にと追撃して出来上がったのが南京城包囲である。城の外、付近の住民も首都軍の庇護を求めて逃げ込んだし、膨大な人数に増えていて当たり前なのである。

 ②次いで、「あんな短期間にそんなにたくさん殺せる訳がない。日本軍はスーパー・サイヤ人か?」とのご批判。これには、こうお応えする。南京城壁は高さ一八メートルで分厚く、一方は揚子江。この城の限られた城門から全軍脱出が敢行されたのが一九三七年一二月一二日の夜から一三日朝にかけて。作戦は完全な失敗。揚子江を渡れた兵はごく少なく、膨大な数の捕虜はその後どうなったか。以降の日本軍中国南下作戦を考えれば、生かして放つはずがない。以降七年半の占領下早い内に、収容施設へ連れて行くように見せかけて秘密裏に殺したと考えるの普通だろう。三一年の満州事変の無法行為で国連を脱退したことを巡る国際的批判と、国内の戦意高揚とのためにも、秘密裏にということが大事だった。

 ③と、僕が返した反論には間髪を入れず、こんなご批判。「それだけ死んだら、死者名簿は? 慰霊祭は? なぜ家族の猛抗議はなかったのか? これらがいまだにないのは嘘である証拠! せいぜい二万人がイーところだな!」。まるで鬼の首でも取ったように勝ち誇って来る。これもネトウヨ本の鸚鵡返しであって、勝ち誇ったこの態度も「自信」の顕れなのである。ただし僕は、一一年ここで闘ってきた勤勉な古参兵。こんなひょろひょろ弾に倒れる訳がない。
 当時の中国政府は、戸籍がないに等しく、兵士は浮浪者が多かった。それも、あの広大な全土から集められた人々。浮浪者が多く、戸籍がないなら、どうやって名簿を創り、家族に知らせるのか。しかも、以降一二年の中国は戦乱と、さらには国共戦争と政権分裂。日本の習慣で思い付いた訳知り顔の屁理屈に過ぎない。現に、中支派遣軍事前教育教科書にこんな記述がある
『三三年に陸軍歩兵学校が頒布した「対支那軍戦闘法の研究」中の「捕虜の取扱」の項には、(中略)「支那人は戸籍法完全ならざるのみならず、特に兵員は浮浪者」が多いので、「仮にこれを殺害又は他の地方に放つも世間的に問題となること無し」と書かれていた(藤原彰『戦死した英霊たち』)』
(岩波新書「シリーズ日本近現代史全10巻」の第5巻『満州事変から日中戦争へ』加藤陽子・東京大学大学院人文社会系研究科教授、220ページ)

 ④すると今度はまた、こう返ってきた。「どんな理屈を語ろうと、死者数二万という学者の有力説もある。三〇万ははっきり嘘として、数をはっきりさせろよな!」。古参兵はこの数字弾のひょろひょろぶりもよく知っているから、こう反論するだけだ。
 確か小泉内閣の時に日中の学者が集まって虐殺数を検討する会議を持った。日本からも一〇名ほどが出たが、北岡伸一など政府系の学者らが多い日本側の結論は、二~二〇万というもの。なぜこんなに開きが出るのか。「虐殺犠牲者」の定義とか虐殺期間・地域などで一致できなかったからだ。特に虐殺に兵士を含むか否か。兵士の戦死は当たり前、虐殺の数には入らないと。が、これにも反論は容易だ。日本は中国に最後まで宣戦を布告をせず、地中あちこちから折り重なって出てきた膨大な若者人骨は捕虜を虐殺した証拠にもなる。以上から、日本の(政府系)学者らさえ二〇万人の含みを否定できなかったのである。


 さて、以下の内容がまた、以上すべてを裏付けるものである。

【 南京大虐殺、一師団長の日記から  文科系 2017年03月09日 

「教育図書出版 第一学習社」発行の「詳録新日本史資料集成 1995年改訂第8版」という高校日本史学習資料集がある。これをぱらぱらと見ていて、南京大虐殺の資料を新たに一つ発見したので、ご紹介したい。408頁に南京攻略軍指揮官の中島今朝吾(けさご)第16師団長日記というのが載っていた。そこの全文を書いてみる。 

『大体捕虜ハセヌ方針ナレバ、片端ヨリ之ヲ片付クルコトトナシタレドモ、千、五千、一万ノ群集トナレバ之ガ武装ヲ解除スルコトスラ出来ズ、唯彼等ガゾロゾロツイテ来ルカラ安全ナルモノノ、之ガ一旦騒擾セバ始末ニ困ルノデ、部隊ヲトラックニテ増派シテ監視ト誘導ニ任ジ、十三日夕ハトラックノ大活動ヲ要シタリ。シカシナガラ戦勝直後ノコトナレバナカナカ実行ハ敏速ニハ出来ズ。カカル処置ハ当初ヨリ予想ダニセザリシ処ナレバ、参謀部ハ大多忙ヲ極メタリ。
一、後ニ至リテ知ル処ニ依リテ佐々木部隊ダケニテ処理セシモノ約一万五千、大平門ニ於ケル守備ノ一中隊長ガ処理セシモノ約一三〇〇、其仙鶴門付近ニ集結シタルモノ約七、八千人あり。ナオ続々投降シ来ル。
一、コノ七、八千人、之ヲ片付クルニハ相当大ナル壕ヲ要シ、中々見当ラズ。一案トシテ百、二百ニ分割シタル後、適当ノカ処ニ誘キテ処理スル予定ナリ。』

 高さ18メートルもある分厚い南京城壁の限られた門から一夜にして日本軍包囲網を脱出しようとした中国軍兵は、その多くが捕虜になった事が示されている。どうせ逃げられないから、捕虜になって助かろうという態度にさえ見えるのである。ところが、これを最初からの方針として、全部殺してしまった。あちこちに分けて連れて行って殺し、埋めたということなのである。そもそも冒頭のこの部分が僕がこのブログで強調してきた要注意か所と言える。

「大体捕虜ハセヌ方針ナレバ、片端ヨリ之ヲ片付クルコトトナシタレドモ」

 最初から捕虜は殺す方針であったことが明確に述べられている。酷いもんだ。こんな資料があるのに、ネトウヨ諸君の種本論客達は、兵士虐殺を否定してきたのである。一師団長が聞いただけで彼等がよく語る「せいぜい2万人」などは、優に超えている。すべて世界に向けては、いや南京攻略兵にすら秘密の仕業であった。なんせ、上の手記にあるように師団長すら虐殺の全貌は知らないのだから。少し前にあった満州事変に対する国連非難囂々に懲りていたのだろう。また、国民の戦意高揚のためにも、敵への残虐行為は極力秘密にするものだ。実に卑怯、姑息な日本軍である。もっとも命令を出した奴らが卑怯、非道なのであるが・・・。】

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日本の右翼の方々に  文科系

2020年01月15日 10時28分20秒 | 歴史・戦争責任・戦争体験など

 紳士ハム太郎さんという「真実に対して誠実そうな右」のお方を意識して宛てた三つのコメントをまとめて再掲したい。今世界に右翼ポピュリズムが大流行りだが、それはアメリカの望む所。その世界戦略の一部でもある。各国が自国の問題に没頭してくれれば、アメリカが進めている酷すぎる世界戦略を避けて通ってくれるからだ。日本の右翼の方々も同類で、こんな特徴を持つ。
①日本をこんなに急に貧しくしたのがアメリカだと、何も論じない。国民1人当たり購買力平価GDPが31位などと、16位の台湾にとっくに追い抜かれ、32位の韓国にも抜かれようとしているのに。ちなみに、韓国はこれに懲りて、米中等距離外交に入った。
②中国を倒した将来にはさらに日本が酷いことになるなどは、全く考えたことがない。現状維持が続くとナイーブにも考えているのだ。こんなことができるのは、以下のアメリカ世界戦略が全く見えないからである
③嘘の理由でイラク戦争をやったとか、今イランに凶暴な無理策を押し通しているとか、そういうアメリカの焦りは、ここから来ている。物作りがダメになって金融バブルと石油だけ、貿易は大赤字のアメリカが、中国の貿易黒字・やがては金融帝国を看過できないこと。今でさえ、日中の資金が引き揚げられたら、アメリカの経済、GAFAバブルでさえ、お陀仏である。
④イラン、ベネズエラで米が転覆工作に励んでいるのは、中国のエネルギー仲間であり、併せて米石油独占価格世界体制を崩す国だからだ。ベネズエラとイランは、原油埋蔵量1位と4位の国である。


【思考の洗い直しを・・・ (文科系) 2020-01-13 18:22:30
 思考の構図全体の洗い直しを勧めます。話の全てが「・・・だそうです」とか、「・・・・のようです」ばかりで構成されているから。そしてまた、思考の全体像を構成しているいろんな「事実命題」に信憑性のない部分が多すぎるとも感じました。

 これらの韓国政治構図全体を構成している貴方の一つ一つの重要命題を、もう一度吟味し直してみる事を勧めます。日本の一部に流れているだけの、世界には全く通用しないが世界中にはやっている愛国ポピュリズムの一つと感じますね。
 こういう愛国ポピュリズムこそ、アメリカが今世界に勧めているもの。愛国ポピュリズムが実は、自国のことにかまけてアメリカの世界蹂躙を見えなくしてくれるからです。

 日本にとっては韓国のことなど今はさして重要ではありません。アメリカが進めつつある世界・日本政策は、日本国民の生死に関わるようなことです。愚か過ぎる安倍でさえそろそろ気付き始めたようですが、安倍の政治生命ももう、アメリカによって絶たれるでしょう。次が、真の対米日本派内閣ができるかどうかを注視しています。】

【日本の運命をこそ論じよう (文科系) 2020-01-14 06:17:19
 今の日本が置かれた状況では、日韓問題など小さすぎる事。愛国を唱えているつもりの人々が日本核心の問題を論じないから、国民が知らぬうちに米の植民地にズブズブとはまってきたことをこそ、反省して、論じるべきでしょう。愛知県の二つの金持ち大学でも百億近い金をリーマンで奪われたとは、有名な話。
 韓国は既に「米中等距離外交」に堂々と入って行きました。日本もそうしないと、世界31位にまで落ちた国民1人当たり購買力平価GDPは、国民生活の極限まで、もっともっと下がっていきますよ。大量緩和の出口問題が五輪の後に大口開けて控えています。
 日本31位に対して、韓国は32位、台湾が16位だったかな。台湾が今のままなら、せっかく中国との貿易で16位まで上がった国民生活を、やがてはアメリカに根こそぎ奪われるでしょうね。台湾国民は全く世界が見えていないのです。

 もう一度言います。僕は韓国問題など論じている暇はありません。】


【  世界アメリカ帝国 (文科系) 2020-01-12 19:08:49
 最近のアメリカの動きから、標記の「世界アメリカ帝国」の野望が誰の目にも見えてきたと思う。
・イラク国会決議で、米英以外の軍隊はイラクから出て行くのに、アメリカはなぜ「あくまでも出ろというなら、この国を潰す」とトランプが息巻いているか。
・アメリカが潰すのに失敗したシリア政府からも、出ろと言われているのに、出ていかない。
・こうしてアメリカは、中東各国に56000人もの米軍を置いている。なぜか?
・これ全て、イランを潰す戦争の準備なのだと考えれば、理解できること。大統領になってすぐにトランプが「イラン核合意」から抜けたのはこのためであった。
・イラクとベネズエラを潰せば、ロシアの封鎖。すると、中国のエネルギー源を抑えたことになって、米中冷戦に勝利できる。

 以上が、今や米帝国主義の世界制覇の野望なのである。これが実現したら、黄色人種の日本など鼻であしらわれることになる。ここまで中東の人間を150万も平気で殺してきてなお殺そうとしているように。
 だが、核を持った中ロが連携している以上、そしてロシアが石油を持っている以上、これがアメリカ帝国の上記野望の最大の壁になるだろう。

 こうして、今アメリカがやっていることはおそらく、ヒトラーのポーランド侵入電撃作戦以上の酷いことである。野蛮でかつ露骨な、帝国主義的軍事侵略。】

 今回の最後に、アメリカにとってトランプ政治が「例外ではなく、普通のこと」について一言。彼を当選させたのはキリスト教・プロテスタント・福音派。アメリカ国民の四分の一を占める保守本流である。それも「2、3の激戦州で勝ったから当選したに過ぎず、総数ではヒラリーに負けていた」大統領。こんなことぐらい、今のアメリカ支配者らには容易にできることなのだろう。

コメント (1)
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