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世界サッカーの焦点、ユルゲン・クロップ(4)全盛期最後マンUの、エース香川  文科系

2019年11月06日 13時38分02秒 | スポーツ
 2013年は、香川もその古巣クロップ・ドルトムントも世界に輝き渡った年になった。ドルトムントはCL決勝にまで行き着き、その相手もドイツのバイエルンで、ドイツ勢同士のCL決勝は史上初のことだった。一方、前年にドルトムントからマンチェスター・ユナイテッドに請われていった香川は、プレミア優勝を遂げている。そのハイライトゲームを一つ紹介しよう。ルーニー、ファンペルシーらとのコラボで、香川の名が世界に轟き渡ったもの。


【 ザックジャパン(74) 香川満開、ハットトリック 文科系 2013年03月03日 | スポーツ

 香川真司が本日第28節ノーリッチ戦で、ハットトリック。チームは4対〇の勝利だ。得点それぞれは全て流れの中からのもの、こんなふうだった。

 1点目は、相手ゴール前、向かって右近くでファンペルシーが右斜め前に浮かせたショートパスを、外側の右足アウトサイドでダイレクトに流し込んだもの。体正面ヘソ辺りの柔らかいボールを右足アウトでキーパーを避けつつ狭いニア側に入れるのだからやや強めに打たねばならず、難度の高いゴールだった。
 2点目は、相手ゴールに向かって右側にカウンター激走するルーニーにかなり遅れて中央を並走し、短いグラウンダーパスを軽く流し込んだもの。ルーニーの貯めも見事なら、自分に付いていた敵をあっさり交わした香川の余裕シュートも見物だった。
 3得点目は、得点の起点も自分自身。中盤近くで右外目にいたウェルベックに斜め長めの見事なパス。そのウェルベックがゴール右にいたルーニーにパス。ルーニーが受けると見たその瞬間に右斜め前に走った香川。猛然と出て来た敵キ-パーよりも一瞬速く、落ち着いた浮き球シュートを決めてみせた。


 このゲームは、いろんな事がいつもと違っていた。何よりも攻める時にワンタッチプレーにチームとして徹していた。まるで監督が「今までにないくらい簡単にはたけ」と全員に命じていたと思われるほどに。だからチャンスが多く、前半ロスタイムの初得点まで香川自身が絡んでゴールに迫った事が6度ほどもあったのではないか。今期このチームの狙いと思われる「個人技得点に頼らず、集団の流れからパスワークで敵を崩す」が、最も実ったゲームと観たがどうだろう。又、だからこそ香川が生きたと思う。ルーニー、ファンペルシー、香川の3人がこういうパス回しの中心であってみれば、香川を取った狙いが最も効果的に実現されたゲームでもあった。ちなみに、香川は先発完投したが、ファンペルシーがウェルベックに替わった65分からは、急にボールが回らなくなっている。同じく先発のバレンシアも、ボール回しは上手くない。ボール回しって結局、「パス&ムーブ」を上手くやってボールを受ける動きに長けていないとついて行けないのだろう。付け焼き刃で簡単にできることではないのだ。
 もう一つはこのこと。敵ボールを奪う組織も、充実していた。チームとしてもそうだが、香川のこの技術もさらに向上していると観た。

 低い位置まで下りてのボール回しと言い、敵ボール狩りと言い、そのいずれにも香川は最も広範囲に絡んでいる。それでいて、2~3点目のようにゴール前にもちゃんと激走していく香川。いかに走力を鍛えているかも分かろうと言うものだ。ここまで72~3回目のこのシリーズでも書いてきたことだが、チームの急激な変化とともに急に凄い選手に育ってきたと、改めてつくづく思う。

 さきほど2時に終わったこのゲームを、日本人としては世界的・歴史的という意味で画期的なこの偉業・ニュースを、日本のネットは意外に静かにしか伝えていない。不思議なことであって、日本マスコミのサッカー軽視と思わざるを得ない。オリンピック金メタル3個分ほどのニュースだと思うのだけれど。なんせ、サッカーは一競技でオリンピックに匹敵する競技だ。 】

次は、上の文章の翌日4日のエントリーからの抜粋。

【 ここまで何回も書いてきたとおりに、香川は速いパス交換連係で得点するタイプ。しかも、その最新式やり方です。クリロナやイブラとは違うのです。ところが、マンチェスターには、ルーニーとファンペルシー以外は、このタイプが前衛の方に居ないし、連係作りにも時間がかかってきたということでした。しかもこの連係作りでも、ルーニーと香川が入れ替わりに故障したりで、案外時間が使ってなかった。ここにきて、ファーガソンとルーニー、そして香川の言葉を聞いてみると、来年に向かってさらにどんどん良くなっていくはず。

 まず、ここまでどんな批判にも香川をかばい続け、使い続けてきたファーガソンが、こう語ってきました。彼がパス交換得点のタイプであること。回りが彼に合わせられなくって、宝の持ち腐れになっていること。彼がよい位置にいるのに回りが彼を見ていなかったり、適切なパスを彼に出す力がなかったり。少なくとも、何人かは彼に合わせられるようになったのでやっと良くなったが、来年はもっともっと得点が増えていくだろうと。このようなことを語っています。
 香川はこう言っていました。
「ルーニーとファンペルシーが僕をしっかり見てくれるようになったので、得点できるようになった。3人でしっかり、特別にパス交換の練習をしているしね」

 香川のこの証言をルーニーもしっかり裏付けてくれています。
「彼はこれくらいは十分にできるのだ。本当によいプレイヤーだ。しかも、守備もするし、他人にも点を取らせるパスを出すという意味で、とっても良いチームプレイヤーなのだから感じがよい。みんなが彼の3得点を喜んでいるよ」

 ルーニーのこの言葉に、僕はこんな感じをどうしても抱いてしまう。「過去に同僚として一緒にプレーしたクリロナとは全く違うタイプなんだ」と。ちなみに、イングランドの他チームはいざ知らず、マンチェスターがクリロナをとることは余ほどのことがない限りないと思う。これはちょうど、バルセロナがイブラやエトーを放出したのと同じ事なのだ。現代サッカーでは、守備をせず、自分より良い位置にいる他人にパスを出さない選手は好かれないし、どれだけ得点してもそれだけのこと。チームへの害の方が大きいのだと思う。
 ちなみに、香川加入直後既にルーニーはこういう香川を見抜いていた。こんな言葉を発していたのだから。「この選手の加入は、これで僕の得点も相当増えそうだ」。】


 こんなマンUが、翌年ファーガソンが退くと、瞬く間に凋落していったのである。香川が使えない古いタイプの戦い方に戻っていったからだ。以降の香川は、自分に合った世界最先端の戦い方をする世界強豪チームに出会えていない。人生によくある『「人」が「機会」を得られなかった』という不幸。
 ところで、香川のこんな世界最先端の活躍を当時の日本のマスコミはそれに相応しくは、全く伝えなかったという事実がある。僕はそれが不思議で仕方なかった。そんな記憶が強烈に残っている。
コメント (5)
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