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「よたよたランナーの手記」(34) ぬか喜びと、実の喜びと  文科系

2014年01月14日 00時43分07秒 | 文芸作品

 どうやら前回書いた現状認識、感慨などは、半分ちょっとはぬか喜びだったようだ。こんな認識、表現までを捻りだして喜んでいたというのに、ぬか喜びとはこういうことだ。
『この春5月に73歳を迎える今の走力が5年前に戻るなどという時が来たなんて、どうして?!』
『とにかく機械が間違っていなければ、総合力が5年前に戻った。心肺機能も筋力も、この両者のマッチングも』
 前回文中にも以下のようなことが頭をかすめたが、どうやらこちらが真実のようだ。
『まるで、ランニングマシンの調子が狂っているのかと、首をかしげている』
  問題のマシンがどうも幾分前に傾いているらしい。11日にそう判明した。後半の30分をそのマシンに乗ってみて、前半よりもあまりに軽い疲労度に驚いたことから、こんなことがあった。いつもこのマシンで、僕と同じ時間帯に走っている仲良しの常連さんにきいてみた。毎日ここに通い、時速10キロほどの綺麗なフォームで走られる30ほどのスリムな女性だ。
 僕「このマシンって、コースが前にちょっと傾いてない? あんまり、調子が良すぎてね」 彼女「私もそう思う。1、2度ぐらい角度を上げると、他と同じ感じになるかな」
 ともあれこの11日はこんなことをやって機械の狂いを確認してみたつもりだ。まず最初の30分を、はじめから調子が悪いと感じられたので抑えに抑えて走った。最近珍しいほどにセーブして最高速度も8.5キロ時までで、30分の距離は4.16キロ。これでも心拍が155などと高かったのが不調の出所だったが、軽い風邪とか何かあったのかも知れない。次に問題のマシンに乗った。「好調」だったので5分過ぎにはもう「10キロ時にアップ」していた。こんなに早くからこの速度というのは09年以来初のことだったが、驚いたことにこれで30分まで走りきってしまった。結果は4.88キロ。09年以来の30分の「最長距離」である。それでいて、脈拍数は150内外。特に脈拍数のこの低さに驚いて機械の狂いを確信し、先の会話が始まったのだった。
 そこで、自分の現状認識の修正結論だが、普通の調子の時の常用速度を9.6キロ時程度と思っておこう。そして「1時間10キロも、出来るとしても理想的条件下でのことだろうし、まだまだ先の話」、そう自分に戒めて帰ってきたものだ。と言っても、以前に比べたら絶好調が続いていることには変わりはないのである。

 そんな昨日13日、前半で調子がよいと分かったのでこれを20分ほどと早めに切り上げて、後半30分を今の最高常用速度を確かめる勢いで走ってみた。もちろん、例のではなくって普通のマシンで、結果は4.9キロ。20分過ぎにはちょっと苦しかったりして、これだけ頑張ったのは再開後初めてという感じだ。ただ、5分過ぎからすぐに10キロ時にして走って、その心拍が150ちょっとだったので最後まで通すことができた。それで改めて思ったのはこんなこと。
 8日に有頂天で帰ってきたほどの激変は幻想だったにしても、09年1年間の最高記録、1時間9.34キロはすぐ抜ける。さらに1時間10キロも思っていたよりも早く届くだろう。そこで、1時間10キロで走ったのは最も最近としてはいつのことだったのかと手帳を調べてみた。その結果分かったのだが、実に07年1月21日の西春10キロマラソンを54分18秒完走からあと今日まで、こんな実績はないのである。つまりこういうことだ。そのころはもう心房細動がかなり出始めていて、練習では最高速度や走行時間はともかく、1時間を9・5キロ以上ではほとんど走っていなかったと判明した。ただ、今と違って、時速12キロとかを含む11キロ時以上にスピードを上げたことはしょっちゅうだったようだ。常用速度がかなり遅かったということだろう。また当時こんな高速が可能だったのは、心拍数を165ほどまで上げていたからだとも分かった。今は155以下、できれば150以下で走っているのである。

 ともあれ、こんな一喜一憂は楽しいことにちがいない。右手の薬指の爪を11日に欠いてしまって、本日ラス・ケルダスというギター合奏団の合宿に飛び入り参加することになっているのだが、上手く弾けそうもない。そのかわり、その練習に使おうと思っていた時間を走りに割いて、力が入った11日、13日だった。

コメント (1)
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