今夜、対アルゼンチン、中日新聞の予想メンバーを評す
中日新聞の予想メンバーは、こうだった。
ワントップが森本。２列目が右から金崎、本田、香川で、ボランチが同、遠藤、長谷部。ＤＦが同、駒野、今野、栗原、長友。この予想ははっきり言って、ザックやその言葉について研究不足。従来からの固定観念にとらわれすぎだと僕は思うが、どうなのだろうか。
先ず、ザックジャパンの合い言葉になるようなこの言葉。
「ＤＦもＭＦも、とにかく縦へ。横パスはするな」
従来からの日本攻撃陣の最大弱点を実にきちんと指摘した言葉だと思う。そして、この言葉に忠実に最強メンバーを選ぶとすれば、次のメンバーは入るはずなのだ。伊野波と、中村憲剛、そして、前田である。前田は縦へのボールの受け手として、後の２人は、長谷部と並んで縦へのボールを世界水準に近づくべく「より速く、より正確に」と努めて成功してきた数少ない日本選手として。
もっとも先発には、現最強メンバー以外を使うということはありうる。でも、失点すれば、この最強メンバーになるはずなのだと、声を大にして言っておきたい。もっとも、中村憲剛でなく阿部の先発がありうる。その場合は、強豪アルゼンチンが相手なのだから守備力を重視したと言うことであって、その場合でも同じく縦パス能力が高い長谷部がいるから大丈夫なのだ。ザックが守備を重視すれば長谷部、阿部がボランチに座るとは、昨日述べたとおりである。
ただ、センターバック今野というのは僕にとって確かに一つの盲点であった。縦パスの力も、ボール奪取力も高いからであるが、これらの力が互角としても、高さという点で伊野波が今野に優るはずだ。
前田は、ポスト力、縦に抜ける力ともに、森本よりもかなり上だ。森本は将来性はあるように見えるが、ちょっと実力以上に騒がれすぎだし、現に成長していない。環境に適応するための思考力が、香川やヒデなどよりはかなり落ちるのだと思う。
面白いことを一つ。ザックが本田を「特別視」していないことである。１０番を望む本田の要求には応えないでおいて、香川には１１番を与えているのが面白い。そしてこれを僕は、一つの見識と思う。僕もフットボール選手としての本田には付いていけないものを感ずる１人だからだ。例えて言えば、昔ベルディで物議を醸したフッキを見ているような気がする。実力は凄いフッキもそうだったが、本田についても、あれだけ「自分のゴール」の視点が強すぎると、チームのコンパクト性を乱すように思うのである。エゴが表面に出過ぎて同僚に嫌われると、良いパスが回ってこなくなる。すると得点もできなくなってくる。現在の本田が、そんなチーム内の壁をロシア自チームに醸し出してしまったのでなければよいのだが。あれだけチームを替わりたいと叫んでは、嫌われている可能性も高いと思うがどうだろうか。なお、実力のあるフッキは現在ＦＣポルト（ポルトガル）にいて、去年のチャンピオンズリーグでも活躍した。
またなお、ザックは常々こう語っている。「チームに特別な存在は作らない」。そうなのだ、選手個々人のポジションにまで細かく指示を出すほどにコンパクト（チームの組織的まとまり）を重視するザックは、個人の突出を極端に嫌う。この特徴は監督としての彼の本質に属するものであって、これの故にイタリアにおいて大物選手とは常に対立してきた。これが、ザックが有名チームで成功できなかった最大の理由だと、僕は学んだつもりである。この点については、１８日のその２参照。特に元ミラン名選手・アルベルティーニ現イタリア協会副会長の言葉にご注意を願いたい。
ザックがこういう監督だということに本田が余り注意を払わないならば、このことを僕が本田に忠告してあげたいほどだ。そこを勘違いしたまま捉え損なうと、今夜のゲームでも、こんな事が起こりうるのではないか。「本田の途中交代」。この点如何も、今夜のゲームで僕の大きな見所になっている。
関連して、最後に、もう一言。南ア大会キャプテン長谷部は、２６歳と若いのに選手間で人望を集めるだけあって、流石に賢い。早くも、ザックをこう見抜いた。「なかなかの人だと思う」と。短い練習でそう感じたのだろう。勝利までは時間がかかっても、着実に積み上げを作っていつかは強大なチームにすると、そういうタイプの監督なのだと思う。勝てない岡田をあれだけ引き延ばして結局大成功した日本協会だから、こういう人物と付き合っていくのはお手の物だろう。協会役員たちは、実によい経験をしたと思う。
中日新聞の予想メンバーは、こうだった。
ワントップが森本。２列目が右から金崎、本田、香川で、ボランチが同、遠藤、長谷部。ＤＦが同、駒野、今野、栗原、長友。この予想ははっきり言って、ザックやその言葉について研究不足。従来からの固定観念にとらわれすぎだと僕は思うが、どうなのだろうか。
先ず、ザックジャパンの合い言葉になるようなこの言葉。
「ＤＦもＭＦも、とにかく縦へ。横パスはするな」
従来からの日本攻撃陣の最大弱点を実にきちんと指摘した言葉だと思う。そして、この言葉に忠実に最強メンバーを選ぶとすれば、次のメンバーは入るはずなのだ。伊野波と、中村憲剛、そして、前田である。前田は縦へのボールの受け手として、後の２人は、長谷部と並んで縦へのボールを世界水準に近づくべく「より速く、より正確に」と努めて成功してきた数少ない日本選手として。
もっとも先発には、現最強メンバー以外を使うということはありうる。でも、失点すれば、この最強メンバーになるはずなのだと、声を大にして言っておきたい。もっとも、中村憲剛でなく阿部の先発がありうる。その場合は、強豪アルゼンチンが相手なのだから守備力を重視したと言うことであって、その場合でも同じく縦パス能力が高い長谷部がいるから大丈夫なのだ。ザックが守備を重視すれば長谷部、阿部がボランチに座るとは、昨日述べたとおりである。
ただ、センターバック今野というのは僕にとって確かに一つの盲点であった。縦パスの力も、ボール奪取力も高いからであるが、これらの力が互角としても、高さという点で伊野波が今野に優るはずだ。
前田は、ポスト力、縦に抜ける力ともに、森本よりもかなり上だ。森本は将来性はあるように見えるが、ちょっと実力以上に騒がれすぎだし、現に成長していない。環境に適応するための思考力が、香川やヒデなどよりはかなり落ちるのだと思う。
面白いことを一つ。ザックが本田を「特別視」していないことである。１０番を望む本田の要求には応えないでおいて、香川には１１番を与えているのが面白い。そしてこれを僕は、一つの見識と思う。僕もフットボール選手としての本田には付いていけないものを感ずる１人だからだ。例えて言えば、昔ベルディで物議を醸したフッキを見ているような気がする。実力は凄いフッキもそうだったが、本田についても、あれだけ「自分のゴール」の視点が強すぎると、チームのコンパクト性を乱すように思うのである。エゴが表面に出過ぎて同僚に嫌われると、良いパスが回ってこなくなる。すると得点もできなくなってくる。現在の本田が、そんなチーム内の壁をロシア自チームに醸し出してしまったのでなければよいのだが。あれだけチームを替わりたいと叫んでは、嫌われている可能性も高いと思うがどうだろうか。なお、実力のあるフッキは現在ＦＣポルト（ポルトガル）にいて、去年のチャンピオンズリーグでも活躍した。
またなお、ザックは常々こう語っている。「チームに特別な存在は作らない」。そうなのだ、選手個々人のポジションにまで細かく指示を出すほどにコンパクト（チームの組織的まとまり）を重視するザックは、個人の突出を極端に嫌う。この特徴は監督としての彼の本質に属するものであって、これの故にイタリアにおいて大物選手とは常に対立してきた。これが、ザックが有名チームで成功できなかった最大の理由だと、僕は学んだつもりである。この点については、１８日のその２参照。特に元ミラン名選手・アルベルティーニ現イタリア協会副会長の言葉にご注意を願いたい。
ザックがこういう監督だということに本田が余り注意を払わないならば、このことを僕が本田に忠告してあげたいほどだ。そこを勘違いしたまま捉え損なうと、今夜のゲームでも、こんな事が起こりうるのではないか。「本田の途中交代」。この点如何も、今夜のゲームで僕の大きな見所になっている。
関連して、最後に、もう一言。南ア大会キャプテン長谷部は、２６歳と若いのに選手間で人望を集めるだけあって、流石に賢い。早くも、ザックをこう見抜いた。「なかなかの人だと思う」と。短い練習でそう感じたのだろう。勝利までは時間がかかっても、着実に積み上げを作っていつかは強大なチームにすると、そういうタイプの監督なのだと思う。勝てない岡田をあれだけ引き延ばして結局大成功した日本協会だから、こういう人物と付き合っていくのはお手の物だろう。協会役員たちは、実によい経験をしたと思う。
