朝早く浜に行った。
焚き火の側で、網から獲物の取り分け作業が続いている。
「吾妻鏡」にもその記述があるこの浜の根っからの漁師である“せいちゃん”の網だ。
いつになく“せいちゃん”の顔が綻んでいる。
「メバル」や「カサゴ」が、網から外され次から次へと取り分けられている。
大きなバケツから溢れるばかりだ。
今日は“サザエ“も大漁だ。
「いつも、これだけ入っていればな---」と“せいちゃん”は思わず本音を漏らしている。
市場に出せないような魚は思い切り海にリリースする。
すると、どこに居たのか鵜が素早く潜って咥え込んでいる。
自分の咽喉よりも大きな魚を咥え込んで飲み込めるのかとジッと見る。
野菜でも魚でもやはり旬のモノを間近に見ると、気持が昂ぶるし、食したくなる。
別けて貰った。