海側生活

「今さら」ではなく「今から」

居眠り

2015年11月07日 | 感じるまま

(光明寺/鎌倉)
『寝る子は育つ』と言う言葉がある
日常の暮らしの中から生まれたような言葉である。泣いてばかりでいて親を困らせるような赤ん坊ではなく、乳を飲めばスヤっと眠ってしまうような赤ん坊は親にとっても有り難い。そしてそんな子は元気にスクスクと育つに違いない、との願望を込めた気持ちが、その短い語句に込められているに違いない。

当たり前の事をふと考えたのは、それなら良く寝る年寄りはどうなのか、が気になった。
子供は良く寝ることで、よく育つだろう。では年寄りは良く寝ると、その先どうなるのか?今さら育つ余地は残っていない。せいぜい老化の速度が鈍るとか、病気に罹るケースが少なくなるというぐらいで満足しなければならないのか。

振り返れば、ここ数年の間に急に良く眠るようになった。夜間の睡眠の事ではない。昼間の居眠りの話だ。電車で座れた時などは、あの振動の為なのか必ずと言いて良いほど睡魔が襲ってくる。また昼食でお腹が膨らんだ後は、必ずと言ってよいほど眠くなる。毎回の事だが、13:30から始まる『吾妻鏡』の講義でも、講師の低い声に引き込まれるように、始まって五分ほどで居眠りの時間だ。又つい先日も法要の席で、和尚さんが打つ木魚のポコポコ音の単調なリズムに、まるで睡眠導入剤を呑んだ時のように静かに深く眠りの世界に入ってしまった。隣に座っていた叔父さんに「焼香の番だよ」と耳元で言われてしまった。しかし夜の睡眠が不足しているとは思えない、充分にとっている。

だいたい年寄りは若い人より居眠りすることが多いようだ。年寄りが(自分も)それほど良く居眠りをするのは、若い頃の不摂生や寝不足のツケが今、回ってきたのかとも思ったりする。しかしその原因を知るよりも、こんなに良く眠る老人の今後が気になる。

余りにも度々眠ったら、その先の眠りの時間がなくなってしまうのではないか、また永久に眼を覚ますことを忘れてしまったりしないだろうか。
気にかかる。

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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
眠いので寝る (宮本靖夫)
2015-11-10 10:01:27
    気兼ねなく居眠りできる冬うらら
私も同じです。たぶん歳のせいでしょうね。そんなときは遠慮しないで寝ることにしています。
眠い頭で本を詠んでも、人の話を聞いてもさっぱり入ってきませんので。幸いなことに、世間では失礼だとか無礼だとかは言わず、そっとしておいてくれます。もう、あてにされてないのかもしれませんが。それでもいいではないですか。
眠いときは寝ましょうよ。
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