(建長寺)
永遠に女と男は解り合えないもの。
男が何か問題を起こした場合、女は怒るが、やがて女の怒りが取り敢えず静まり平常に戻れば、男はこれで一件落着だと思う。女の笑顔や、これまで通りの言動が回復すれば、全て解消したかのように男は考える。
ところが、これはとんでもない誤解で、女の笑顔や、これまで通りの言動は日常生活を不快にさせないための表面的な修復であることが多い。問題は解決されないまま心の底に不純物のように溜め込まれていく。忘れた振りしてほったらかしにしておけば消えてなくなると男が考えている問題の多くは、こうして女の心に恨みの虫として保存される。
ある60歳代の女性が定年退職して足手まといになった夫を離婚した。いつもニコニコしていて穏やかな性格で良妻賢母の典型のような女性だったので驚いた。
離婚の理由は何十年か前のいくつかの浮気だった。当時、夫は妻の嫉妬や不満を当然知りながら、妻の不快を一つずつ丁寧に潰してやる努力をしなかったらしい。不機嫌が続いても「その内に治る」としか思わなかった。確かに治った。しかし虫は生きていた。笑顔の日常の底でしっかり生きていた。
離婚を言い出された夫には全く理由が思い当たらない。これまでの全ては解決済だと考えていた。
「あなたには問題が無く私にはあった。それこそが問題なのです。あなたは私の事を何も解っていない!」
古来より言葉がある。
『女は一人の男を知れば、全ての男を理解できる。
男は全ての女を知っていても、一人の女も理解できない』
一度奥様の笑顔の底をジッと覗き込んではみる必要がありそうだ、男は。
料峭とは春風が寒く感じることをいいます。全く
よく古いことを憶えているものです。まあ、私の場合の女は家内のことですが。それも、大概私にとって不利なことばかりです。こちらは全く記憶が無いので、抵抗のしようがありません。
そんなときは逃げるしかずです。忘れることも、
幸せになる一つの方法なんですがね。