海側生活

「今さら」ではなく「今から」

ウドンのご飯

2018年02月12日 | 好きなもの

(一条恵観山荘/鎌倉)
名古屋に行った時、必ず食べるのは「味噌煮込みうどん」だ。
溶いた小麦を土鍋で煮立たせ沸騰させる。テーブルに運ばれてきた時でも鍋の中はまだグツグツと煮立っている。出汁は昆布、鰹節、干椎茸。具はカシワと卵、そして濃厚な八丁味噌の味付けは、眼鏡を曇らせながら何度食べても飽きることはない。

郷里の九州方面まで出かけた時でも、帰りは飛行機の利用はやめて、新幹線・名古屋で途中下車し、「味噌煮込みうどん」を味わって帰宅することがある。これほど好きなのは現役の頃、五年間赴任し、独立後も名古屋に浅からぬ縁を持ったからに違いない。その頃、関わり合った様々な人達に手羽先と「味噌煮込みうどん」を仕込まれた。

あの味噌は、やはり愛知の気候や風土に合っているのだろうか。地元の人が食べる時に決まって一緒に注文するように、ご飯と「味噌煮込みうどん」の組み合わせは、名古屋の食文化の代表だ。確かに「味噌煮込みうどん」だけを食べると、少しくどい感じがして白いご飯が欲しくなる。まずご飯の上に卵やカシワを乗せて箸を進める。そしてご飯、うどん、ご飯、うどんと交互に口に運ぶ。出来れば日本酒を一本注文する。ビールでは味噌の味が壊れる。

ある時、八丁味噌をオミヤゲに持って帰ったことがあった。普段家で使っている白味噌と合わせて使ってみたが、あまり美味しくない。もしかしたら「味噌煮込みうどん」にしか力を発揮しないのかもしれない。

「味噌煮込みうどん」の美味さを関東の人に話すと、「鍋焼きうどん」なの?と訊かれるが、一度名古屋に連れて行って、その美味さを納得させたい。食べてみてショッパイと言った人は、ご飯を頼んでいない人だ。

朝夕はまだまだ真冬だ、冷気が身に沁みる。つい身体がホットするようなあったかいものを思い出した。