松美の言絵(いえ)

私は誤解されるのが好きだ。言い訳する手間が省けるから。

ロゼッタが彗星に着陸、おめでとう。

2014-11-13 12:45:37 | 日記・エッセイ・コラム

 10年の歳月をかけて、欧州のロゼッタが彗星表面に着陸したそうです。

46億年の太陽系の謎に迫れるか期待されているそうですが、そういうことに

して祝福を込めて、はやぶさ1号の当時の興奮の様子を

振り返ってみましょう。今月30日出発の「はやぶさⅡ」のためにも。

 2003年5月9日午後1時29分、文部科学省・宇宙科学研究所による小惑星探査機ミューゼスCを搭載したMV-5ロケットが鹿児島県内之浦から打ち上げられました。MUSES-CとはMu型のロケットを用いる工学実験衛星のことで、またの名を「はやぶさ」と言います。この探査機の目的はずばり、小惑星に取り付いてサンプルを持ち帰る事。ターゲットにされた小惑星の名は「イトカワ」。比較的クレーターの痕もなく、太陽系創生の初期の姿を残しているだろうということと、地球の軌道に近いため選ばれました。その姿はいびつな「そら豆」のようで大きさは600m×300m。重力が小さいので、どっこいしょと座ると反動で宇宙に飛び出してしまいます。
 現在「はやぶさ」はイトカワから約20km離れた場所にほぼ静止しています。これから2ヶ月かけて詳細な科学観測をした後、サンプルを採取して11月帰途につく予定です。
 総重量500kg、ネット重量227kgの「はやぶさ」の魅力
 その1はイオン・エンジンです。これはキセノンガスをソーラーパネルからの電力によりイオン化し、電気的に加速して噴射する新しい技術です。長所は従来の化学燃料による推進エンジンより10倍高い燃料効率と長時間の連続加速が可能なこと。これで燃料を軽くした分、観測機器を多く積むことができました。
 その2の自慢は、カメラ、レーザー高度計、近距離センサー及び衝突防止センサーなどを用いて、探査機が自らの判断で小惑星に遭遇するための「自律航行技術」です。地球から星座を眺めると、北極星を中心に星々が回っています。これを連続的に捉えると円を描くのが恒星で、横切って行くのが流星や小惑星です。その動きを見極めて自分で近づいて行きます。地球でモニターしていても3億キロ離れてますから対応できません。見守るだけです。
 3番目は実際に着陸するミニロボット「ミネルバ」です。これは探査機が地表近くまで降下してから、そっと投下されます。ミネルバは立体カメラを搭載していて、地表のクローズアップ画像を送信してきます。ミネルバの移動の仕方がまた独創的で、内部の円盤を回転させた反動でホップしながらころりんコロリンとまくれて行きます。
 4つ目の秘密兵器はサンプル採集装置です。探査機はその2の技術により慎重に降下していき、1秒間のタッチ・アンド・ゴー(接地直後離陸)方式で金属球を発射し、その衝撃で飛び散る地表サンプルを採集器に蓄えます。1回たったの1g程度、これを3回行う予定です。どんな堅い金属でも大丈夫なことを実験で確認しています。3gあれば分析するには十分過ぎるほどです。なにしろ、今まで地球以外の天体からサンプルを持ち帰ったのはアポロだけですから。月以外のサンプルは何もないし、月は成分から地球と似通っていることが分かっているし、まともな学者ならば生の小惑星の姿を喉から手が出るほど見たいはずです。これによって、「惑星を作るもとになった材料がどんなものか」、「惑星が誕生する頃の太陽系星雲内の様子はどうか」についての手がかりが得られるはずなのです。北大の教授で隕石に閉じこめられた「プレソーラー粒子」を発見した、という先生がいます。太陽系誕生前の、つまり46億年より前の物質です。こんどのミッションではこれが出てくるかどうか、興味の尽きないところです。
 最後に地球帰還の問題です。「はやぶさ」の「帰還カプセル」は大気圏再突入の際、惑星間軌道から直接地球大気に飛び込んで来ます。そのスピードは秒速12.2km。これは71km/sで飛び込んでくる、しし座流星群ほど速くはありませんが、比較的低速のメテオロイドの突入による散在流星のスピードに匹敵します。だから全面アプレータの温度は3千度程になることが予想されます。しかし素材となる新開発のカーボンフェノリック・クロス積層の25.5㎜厚の前面アプレータなら大丈夫です。地上での実験では1万度のレーザーを当てても穴が開きませんでした。その秘密は熱によって中からしみ出てくる液体が表面を覆って蒸発していく時に内部を保護するのです。
 この人工流星は時間も場所もその成分さえも事前に分かるため、他の分野からも注目されています。それは例えば「高速再突入カプセルの観測データの惑星科学への応用」などとして、大気発光現象をつぶさに追跡することによって、これから有用となる数々のデータが得られると期待されています。

 とまあ一応、アカデミズムに沿った解釈によって、小惑星探査の意義を述べてきましたが実のところ私は関係機関の方々ほど期待は持っていません。今は、ヴェリコフスキー理論にはまっているからです。太陽系がチリの集まりから出来たと思っていませんので。しかしそれもどっちが正しいか勝負がつく可能性があります。なにしろアメリカのご威光に関わりなくデータが取れるのですから、今までNASAにだまされていたことが証明されるかも知れません。そういう意味では私はニッポンの独自の技術と独立に期待して止みません。

 と、ニッポンの技術に期待していたのですが、JAXAのメンバーに、

NASAの職員が紛れ込んでいるではないですか。助言を与えるため

とか言ってましたが、これではNASAに逆らうことはできません。

持ち帰ったチリの分析結果はどうだったのでしょう。太陽系の成因に

関わる秘密が分かったというニュースは、ありませんね。

 

 

 

 

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