松美の言絵(いえ)

私は誤解されるのが好きだ。言い訳する手間が省けるから。

甲子園の土、近江高校編。

2020-06-09 18:11:48 | 日記・エッセイ・コラム

 2ランスクイズで敗れた近江高校の、砂場での会話が爽やか過ぎるとネットで話題になったのは2年前。

 「甲子園ありがとう!」「(俺ら)頑張ったぞー!」「高校野球、最高や!」
 そして吉田輝星に対して「あいつやっぱプロや」「いい球投げよるって」「あいつ、半端ないって」サヨナラ負けの直後にもかかわらず、近江ナインは笑顔だった。「お前、(土)取り過ぎやで!」「もう砂あらへん」「全部持ってったんねん」

 金農ナインが校歌を歌っている最中、近江の選手は拍手をしていた。

 北村一塁手は、そのわけを語った。「全員が笑顔で、全員が本当に必死に声を出して。本当に楽しく、全力で野球をやっているチームに負けたなら。」「くやしい思いもあったんですけど、この相手に負けたならまあしょうがないなあと、いうくらいの気持ちで自然と拍手が出たと思います」

 その直前、整列して挨拶したあと、お互い駆け寄って声を掛けた。その時、吉田輝星がウイニング・ボールを相手選手に渡した。

 吉田は近江の多賀監督が誕生日なことを知っていた。そしてこのウイニング・ボールを監督にプレゼントしたかった選手の気持ちを分かっていたのだろう。

 またまた遡って、2ランスクイズの場面。

 有馬捕手(2年)が立てないでいるところへ、声を掛けて起こしに行ったのが金農キャプテンの佐々木大夢(ひろむ)。

「キャッチャーはまだ2年だったと思うので、まだ来年もあると思うので、まずはありがとうと。次またあるので、戻ってこいよと」

 多賀監督は吉田の1塁への全力走にも驚いたし、チームの拍手にもビックリした。

「最後まで諦めずにとか、できることは手を抜かずにやろうとか、そういうものが徹底されていましたね。」「監督が描く理想のチームっていうのは、金足さんみたいなチームなんじゃないかなってのは。私はそう思いますね」

 1年が過ぎて、何気なしに耳の形と投げ方に見覚えのある、琵琶湖ブルーのユニフォームの選手が甲子園のマウンドにいた。林くんだった。


 2019の夏は活躍できなかったが、期待どおり甲子園にやってきた。彼らにとっても2018の夏は忘れられない夏になったことだろう。敵の力を認めることが出来る、スポーツマンシップに溢れたチームだったから。


 こんなのを2~3日、見ているんで。体から塩の出入りが激しくて。足りないのか、多いのか分からない。でもなぜか、幸せな気分だけは充満している。
 

コメント
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