上新城の方へ行った時、覆面のお母さんが居たので聞いてみた。
「ご苦労さん」「・・・」 「その顔、かぐしているな、なんて言うなだスか」 覆面の名前は知らないという。そのくらい、昔から馴染みなんだろう。
ハンコタンナと言っても、ピンと来なかった。
(庄内日報より借用)
ハンコタンナは由利地方から庄内、新潟北部にかけて、黒い布で顔を覆う被り物を言う。ここら辺でも名前はあると思うが、一番地元に疎(うと)い。
博物館裏の菖蒲園で、花ショウブの苗を植えている造園会社のお母さんたちは顔を覆っているが、目の下はマスクのようだった。カスリの手拭いではない。
象潟の母上は「ふくべたんな」だと教えてくれた。やり方も知っている。
目以外を覆うことによって、日焼けはもちろんだが、虫よけであり、汗取りであり、江戸時代は殿様から美人を隠す目的もあった。
首もすっかりガードされて万全の構えだ。
苦しくないか聞いたら、苦しくないと言う。なら夏はマスクの代わりに使えばいい。農作業のまま、外出できる。
メガネを掛けたら完璧じゃないスか。医療従事者にも勧めたいくらいだ。
このファッションが渋谷、原宿、表参道で流行ったら愉快だね。道行く中東のご婦人もビックリだろうね。