松美の言絵(いえ)

私は誤解されるのが好きだ。言い訳する手間が省けるから。

男鹿に、ハタハタを食べに行った夜。

2015-11-22 12:23:25 | 日記・エッセイ・コラム

 久々の男鹿です。今日は、どこから行く?と一応聞いてみます。選択肢は、いくつもあるわけではありませんが、「秀(ひで)」にしよう、と友人が言います。秀さんは、カウンターががら空きで、小上がりが二組満員、一番くつろげる奥の座敷にします。先客の男性たちが女性軍を待っている組。あとで真ん中に家族連れが来ました。

 ビールを持ってきた彼女に、ハタハタは揚がっているか、と聞いて見ます。どうも今日はメニューにないようです。友人はそれが目的だっただけに、がっくり。というのは、季節ハタハタの時期になると、飽きるほど食えるのですが、今底引きで捕っているハタハタが食べたいのだそうです。小ぶりでも美味しいのです。なぜなら、産卵が目的で海岸まで来る連中とはまた一味違うからです。

 あとは何でもいいや、と投げやりな相棒だったので、秀さんにお任せ。それで出てきたのが「さえずり」クジラの舌だそうです。初めて見ました。味はクジラベーコンに似て、独特のくせがあります。脂身が多いので、そうたくさんは食べられません。3枚で充分。その次の「ホタテのかやぎ」がまたうれしかったです。汁を吸いながら1本開けられそうな味です。

 8時過ぎまで、じっくり飲むつもりが、彼氏寿司屋に行くと言います。どうしてもハタハタに未練があり、その店は8時過ぎないと開きません。ワンクッション置くのが「陣寿司」なのです。陣さんは、なんか雰囲気が変わっていました。

 メニュー書きがあります。飲み物も値段が表示されています。おまけに、皿に載せて刺し身が出てくるじゃありませんか。なんか面食らってしまいました。

 寿司屋のイメージが崩れるなあ、と言うと、お客の中には値段の分からないものを注文するのは怖いと思う人がいることを知りました。まあ確かに、初めて来たら躊躇するかも知れません。男鹿が廃れた理由に、観光客が二度と来なくていいと思う店があったことは確かです。温泉街ではそういうこともありましたが、船川でそういう店に、入ったことはありません。

 ここではコハダが身が締まって小ぶりで美味かったです。あと「がっこ」でたくあんのほかに、サクサク歯触りのいい美味しいのがあって、「きくいも」だと姉さんが教えてくれました。名前だけは聞いていましたが、こういうものだとは。生姜が大きくなったみたいな、ごつごつの形でした。

 帰りの終電。まだ改札してないのに、無理やりサッシを開けようとするカップルがいました。暖房の効いた車内に入って、新聞の記事を思い出しました。男鹿線は電車とはいうものの、実際は電化されていないディーゼル車です。しかしこれが蓄電池を抱いた「電車」に置き換わるそうです。そう思って見ると、何十年と乗ってきたキハ40系が名残惜しく思えてきました。

 あれ、ハタハタはどうなったかって?。結局、ありつけませんでした。

 

 追伸:お向かいの蓬田さんから、もらいましたよ、ハタハタ。えっへっへー。社長!、悪いね。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする