クボタ民謡お国めぐり以来、久々民謡番組を見た。それは男鹿市で開催された種苗交換会の際に収録された、民謡フェスティバルで、民謡にフェスティバルも似合わないが、内容は良かった。何より若い子が引き継いでくれていることが分かっただけでも儲けものだった。
県内から小学生、中学生が出演していて、中でも地元男鹿市の中学生の女の子の「おはら節」は感動した。鹿さん、鹿さん、なぜ泣くの、というかなり物語性の強い民謡で、家族愛をまあいわば唄ったものだ。民謡に、最近のヒット曲というのはない。すべてクラシックというかスタンダードというか、昔からある曲だ。それでも歌い手によって、雰囲気はガラリ違う。言ってみればカバー曲みたいなものか。
その口をよーく見ていると、誰もが「ん」の発音で口を閉じる。閉じてほとんど皆踏ん張って音を伝えようとする。つまり「m」の発音なのだ。日本語では「ん」は「n」なはず。口を開けたらもっと楽なのに、と思う。これは師匠から教わる限り、変化することはないだろう。
あと掛け声が不思議だ。ほぼすべてカタカナ語だ。そもそもの唄い始めから「ハァー」となる。キッタガサッサー、ホイサッサー、ホイナ。どういう意味だろう。我々は、どこの国から来たんだろう。
そして伴奏も不思議だ。特に尺八は、歌手の後追いで、メロディを演奏する。同時になることも、先になることもない。あくまでも歌手が先で、だからアカペラと何ら状況は変わらない。
我々は不思議な民族音楽を持っているものだ。