エボラが細菌兵器だとすると、かなり優秀。
最も怖いウイルスを想像してみて下さい。それはシロウトが考えるに、憑りついたら数日で症状が現れ、100%死に至る。そう考えるでしょう。ところがこういうウイルスは拡散しにくいのです。なぜならすぐに患者と分かり、看病する間もなく死んでしまう。すると放置され、誰も近づかない。生きているなら、必ず看病する人間が必要で、感染の機会は増える。だからコロッと行くより、だらだら長いほどいい。潜伏期間も、短すぎると、国境を超える暇がない。2~3週間というのは、或る意味理想的に長い。長すぎるのは、エイズのように忘れ去られる。恐怖感が続く限界は多分2~3週間というところでしょう。
そう考えると、このエボラというやつは、かなり理想に近い、ということが言えるのです。そしてもしこれが、空気感染でもしようものなら、取扱いが難し過ぎて、開発者自身が危ない。こういう手のウイルスというやつは、変異が激しくてワクチンを作る意味がない。だから突然変異で乾燥に強い株が現れたら、それは人類の最後を意味する。今のところ水分に乗って移動すると思われているが、それでも15mは飛ぶ可能性があるとささやかれている。もし乾燥に強い変異が起きて、そういうことになったら、今の作戦も甘いことになってしまう。そもそもウイルスが死んだとは、どういうことなのか。生物でも無生物でもないウイルスが、死んだのと、不活性化したのと、見分けがつくのか。空中を漂い、水分にたどり着いて、活性化する。そういう変異のパターンも考えられる。こいつは、かなりやっかいな、病気であることは間違いない。