棚からぼた餅--岩淵龍王丸

信州の山郷での暮らしと、絵本と無縁になってしまった大人に向けた創作絵本や、芸術活動をお話します。

童話 3--僕のバオバブ--出発

2008-08-13 16:54:24 | 大人の童話
「オーイー。みんな忘れ物はないなー。お土産はちゃんとつんだなっ」
「辰雄。夏休みの宿題帳はもったわね。敏子そんなものもっていかなくてもいいの!」

一家総出の出発は大騒ぎ。
お隣のバオバブおばさんは(アレ以来ひそかに呼んでいた)、なぜかご機嫌な顔をして、見送ってくれました。
 
バオバブの茂る島--マダカスカル への旅行ではなく、お母さんの実家
群馬県に行くことになったのです。
運転はお母さん・お父さんの交代ですが、これがまた大変。
お母さんは運転が結構好きなようですが、お父さんに言わせると、バックミラーも見ない、マイペースの怖い運転だ、と。
「おおおいっ! 運転変わるか!!」
「いいわよっ。あなたは疲れているのだから・・・。」
「オレ後ろに行きたいが、子供を前に乗せるわけにいかねーしー」
お父さんは助手席で硬くなっていました。

そのうちに、口げんかになり、運転はお父さんに交代。
黙りこくったお母さん。
車内は静かになったはずだ。お母さんは寝入ってしまった。

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