棚からぼた餅--岩淵龍王丸

信州の山郷での暮らしと、絵本と無縁になってしまった大人に向けた創作絵本や、芸術活動をお話します。

冬の色

2008-12-17 18:30:36 | 山郷の暮し
秋冬の空の記事で、ヒマラヤ・チベットそしてモンゴルの空を思い出すと書きましたが、かの地では見たことがない、日本の空があります。
つるべ落としの夕刻が迫ると、ほんのりと赤味を帯びた雲や、墨色の雪雲の合間に、なんとも澄み切った色があります。
言葉で言ったら澄んだ水色なのですが、空間なのです・・。
それも広い範囲ではなく、どちらかというと北空に見ることが出来る、雲間の狭い範囲の空です。それも突き抜けていくような空(空間)でもないのです。
寒々と、実に寒々としているのですが、これ以上、清冽で凛とした空間があるのでしょうか。
 私の絵画表現で現わしたい空間なのです。
絵画となれば基本的には色彩なのですが、たとえその色を調合しえたとしても、その空間にはならない。当然です。
絵画の難しさは、周囲のハーモニーから、目的の表現に近ずくことができるのです。ですから、澄んだ水色を作り出せたとして塗っても、壁紙の色にすぎません。
難しくいいますと、補色関係の組み立てなのです。

見入ってしまった空を思い出し、描き表わしてもナカナカうまくいきません。
あの空のように、わずかに赤く色ずいた雲にしますと、水色は濁って見えてしまうことが大方です。しかし、反対色との組み合わせは難しいのですが、成功したらそれは美しくなるものです。
自然こそ美学の頂点ですが、そのまま写し取ったとしてもダメという難しさがあります。抽象化するとは、すごい創造力だと言えます。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿