棚からぼた餅--岩淵龍王丸

信州の山郷での暮らしと、絵本と無縁になってしまった大人に向けた創作絵本や、芸術活動をお話します。

きれいではない花の絵制作

2020-01-14 10:23:31 | 山郷の暮し
目を見張るような花柄模様のことを投稿したついでに、今日は昨年描いた花の絵をご紹介いたします。

私はあまり「きれいだ」という意図での花の絵を制作をしたことがなく、強いメッセージをたくせる画題だった。
それはもっぱら「ひまわり」で、それも花瓶に生けられた室内の花ではなく、真夏の日差しに毅然と力ずよく咲く「ひまわり」が主だった。
湧き上がる生命の表現として最大2M角の大作などから、小品までかなりの枚数を制作をした。
中央画壇に出品したおりなど委員から「ゴッホを研究しろよ・・。」などと言われ、内心この人は咲き誇る野の「ひまわり」を知らねーとおもったり・・。
折しもゴッホの「ひまわり」が購入されたころだった。
写真の整理がついていないので掲示することはできなのは残念です。
昔のことはこれくらいにしておきましょう。
2000年の制作 180-160-センチ

昨年は我が家の花畑に雑然と咲くアイリスを描く。
初めてではなく今までにかなり描いてはきたが、自作のひまわりの作品ほど思い浮かぶ秀作は少ない。

アイリスといえばいの一番に思い浮かぶのは、尾形光琳の屏風絵だろう。
展示会ではガラスケース内であったが、屏風のつづれ織りが創り出す不思議な空間が日本美術の独自性を感じた。
そんな空間を生み出せないものかと、何枚も描いてきたのである。

蛇足ですがゴッホにもアイリスの作品があり、おそらく光琳に刺激を受けたりではないかとおもいます。

さて、私のアイリスの作品は制作をしながら思いが煮詰まっていき、思いは20年ほど以前にヒマラヤ遠征に同行したときに遡った。
横殴りの雪と氷から解放された4月下旬、下りついた標高3000mのV字谷は様々な花が咲き乱れ、まさに花の谷であった。
その日の日記には「極楽を描くとしたらこの光景、この感動だ」とある。

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