棚からぼた餅--岩淵龍王丸

信州の山郷での暮らしと、絵本と無縁になってしまった大人に向けた創作絵本や、芸術活動をお話します。

敦煌夢譚

2016-12-01 19:02:10 | 山郷の暮し
歳月人を待たず と申しますが年を得れば得るほど10年20年がつい以前のことのように感じてしまいます。
30年前、中国が海外の人に対して地域限定ながらようやく開放しはじめ、当時のバックパッカーにとって当局の目をかすめて
未知のところを旅したかが自慢でした。
私もウイグルより西の地帯にヒッチなどをしながら入り込み、結局は公安に見つかってしまい追い出されました。
未開放地区だとは知らなかった、ということで幸い多少の賄賂で許してもらいました。
書き出したら限が無い、超しんどいシルクロードエリヤの旅でした。

海外観光客いらっしゃい。しかし、国民との接触はできるだけさせたくないのが当局の本音が丸見え。
気ままな一人旅で現地の方々に接し、時にはお世話になることは最大の楽しみでしたが中国では難しかった。

そんな厳しい監視の中での「敦煌」は気楽なほうであった。
それでも郊外の農家で楽しんでいたら、いつの間にか公安がやってきて、私ではなく農家の方になにやら激しい口調で怒鳴っていた。
どうやら国民のほうが罰せられることのようだった。

さて、肝心の仏教美術の宝庫 莫高窟のことですが、これこそ語りきれない。
びっしりと描かれた仏たちが舞い躍り出てくるようなゆらめきを感じたのは、昨日のように思い出す。
其の感激が後日「敦煌夢譚シリーズ」と開花し今も描いている。

窟内の見学は自由にはできず、団体が来ると戸をあけてくれる。
ワイワイがやがやとまことに賑やかで、心静かに仏様たちとお話をする などトテモいかない。
あるときなどは団体が去った後見ていたら追い出されたり、戸を閉めらせれたりと散々な目にもあった。
正直 直接鑑賞することは難しく、土産物屋でスライドを買い込んだ。

いま思い出すままに書いていますが、当時の中国は「公務員」だらけで実に横柄で腹立たしかった。
とくにオバちゃん連は無礼であった。
デパートらしきところでの買い物も、ねーちゃんは寝ているし、奥では男たちがマージャンをしている。
結局 仕事をきちんとする必要が無い社会だった。
ある日本の商社の方が、日本だったら一人でできることを6人いるが、互いにけん制しあい結局は何もできていない。


そんな中国が現在は・・・・。隔世の感あり。




ryusun

つぶやき

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子供たちに向けたというより、内なるものを呼び覚ます大人への絵本