参議院の予算委員会が、荒れ模様だった。
北朝鮮が、突如韓国の大延坪島(テヨンピョンド)を砲撃した。
この時の情報をめぐって、日本政府の対応の甘さが取り上げられた。
北朝鮮が砲撃を開始してから、2時間以上もたってから菅総理は官邸に入った。
その間の70分間については、官邸は閉ざされたままもぬけのからで、人の気配がなかったといわれる。
官邸に報道記者がつめかけた時には、菅総理の影も見えなかったそうだ。
よりによって、こんな時に誰もいないとは・・・。
菅総理の話によると、公邸で砲撃のニュースを見ていたのだそうだ。
そのとき、大変なことが起きたとの認識はあったという。それはそうだろう。
このときは、実は、仙石官房長官に対する問責決議案への対応などについて、国対委員長代理らと話し込んでいた最中だったらしい。
ともかく、そっちの方で頭の中はいっぱいだったようだ。
官邸で待ち構えていた記者団にも、北に対する非難などはなく、海の向こうの話で、もう拍子抜けの感じだったそうだ。
ところが、この降ってわいた北朝鮮の暴挙で、問責決議案などどこかへ吹っ飛んでしまったというわけだ。
官邸に入ってからの動きも鈍く、関係閣僚が招集されたのは、夜9時過ぎであった。
仙石長官が、韓国の立場を支持するという声明を発表したのは、砲撃から6時間後のことだった。
アメリカは、事件が起きてから3時間後には、現地時間の朝4時半に異例とも思える声明を発表しているのだ。
それに比べると、日本はのんきだ。(?!)
危機管理の問題よりも、政権浮揚につながる問責決議案の方が優先されていたのではないか。
確かに、今回の事件から官邸の動きを時系列で追って見ても、動きは緩慢だ。
尖閣問題、北方領土、APECといずれもが失態続きで、柳田法相の失言更迭問題もあり、菅内閣の支持率は23.6%にまで落ち込み、いよいよ、仙石官房長官の問責決議案が、いまにも提出されるところだった。
これが、もしも可決されていたら、菅政権はどうなっていただろうか。
もっとも、問責は、いずれは出されて可決されるのは必至の情勢に変わりはないのだが・・・。
北朝鮮の砲撃事件は、そんなときに起こったのだった。
官邸幹部は、不謹慎にも(!?)、カミカゼが吹いたような心境だったと、言ったとか言わなかったとか・・・。(まあ、わからぬではないけれど)
この砲撃は、周到に練られた北朝鮮の<挑発>ともとれる。いや、まさにそんな感じだ。
長い長い休戦期間があったから、こういう事態がいつ起きても不思議ではなかったが・・・。
いま、北朝鮮でも、金正日死亡説までまことしやかに噂されていると聞く。
まあ、将軍後継問題も相まって、いろいろと憶測が飛ぶ中での出来事だけに、世界各国の反応もいろいろだ。
韓国、アメリカ、日本は連携を密にして、北への非難声明を出したが、中国やロシアは例によっておかしいほどに慎重(?)で、北の同胞だからか真意を測りかねる。
国連は、どう動くだろうか。
ともあれ、今後の北朝鮮の動きからは目が離せない。
日本は、この野蛮な国家とは、目と鼻の先だ。油断はできない。
日本の菅内閣は、この危機的状況にうまく(?)乗っかった格好だ。でも、笑ってはいられない。
今回の北の砲撃についてだって、テレビのニュースで知ったといっているあたり、政府の情報不足と危機管理能力のなさは推して知るべしである。
いまに始まったことではないが、危機管理のもたつきは、何とも、情けない限りではないか。
いつだってそうなのだが、アメリカや韓国に追随するような、臨機応変のきかない、先見の明もない、内閣の無能、未熟を見せられて、唖然とする思いだ。。
中国に対しても、事件の責任が北朝鮮にあることは明確なのだから、もっと北朝鮮に影響力を行使するように強く促すべきではないか。
弱腰(柳腰)の外交なんてとんでもない。
対岸の火事だからなどと、のんきなことを言っている場合ではない。
神風(カミカゼ)が吹いたなどと言って、北朝鮮様々ともとれる発言など、何を言っているか。
冗句のセンスといい、空疎な大臣答弁といい、ひたすらメモの読み上げといい、所詮、日本人はこの程度の大臣や政治家にしか恵まれることのない国民なのだろうか。
そうだとすれば、悲しみは深まるばかりである。
これでは、自虐の淵に落ちそうだとは、誰かが言っていたっけ・・・。
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自民党政権時代も色々あり、結構遅い遅いと思っていたものですが、民主党政権はそれに輪をかけて遅い!
おまけに言っていることに一貫性が無くて、何をしたいんだか・・・。
次の選挙では投票行動を慎重に決めないといけませんね。
自分を棚に上げて、‘有事’の際には都内にいて1時間以内に出てこい!っていうわけです。
茶柱様。
この内閣はもう持ちそうにありませんね。
どうなることやら・・・。
中国は、もちろん反対しますよね。
でも、当然のことです。
嫌なら、北朝鮮を説得しろというわけですね。
霜葉様。
韓国は、砲撃で亡くなった兵士のことにかんがみて、この恨み1000倍、2000倍にしてきっと返すとまで言っています。
日本は、対岸の火をただ手をこまねいて見ているだけですか。
黄海に緊張高まる!・・・で、何かまた起きるのではと・・・。