徒然草

つれづれなるままに、日々の見聞など、あれこれと書き綴って・・・。

「おくりびと」が邦画ワースト1位に!!

2009-03-12 16:20:00 | 映画

アカデミー賞外国語映画賞を受賞した、「おくりびと」が、大変なロングランを続けている。
おそらく、興行収入は60億を越えるだろうと言われている。
その日本映画の秀作ともいえる「おくりびと」が、何とワースト映画の第1位に選ばれてしまったのだ。
この作品の特別なファンではないが、映画ファンならずとも、これには驚いたり、がっかりした人も多いのではないか。
選んだのは、戦前から続いている、硬派の専門誌「映画芸術」最新版だ。

この雑誌、日本映画の毎年ベスト10ワースト10を選出している。
全員で、31人の評論家、脚本家らが、08年の日本映画84作品を採点したのだ。
それによると、ワースト部門の1位は「おくりびと」、2位「少林少女」、3、4位が「ザ・マジックアワー」「私は貝になりたい」、5位が「トウキョウソナタ」となっている。

では、ベスト部門の方はどうか。
こちらの方は、1位は「ノン子36歳(家事手伝い)」、2位「実録・連合赤軍」、3、4位は「接吻」「トウキョウソナタ」、5位が「人のセックスを笑うな」となっている。
「トウキョウソナタ」などは、選者によって両極端の評価が下されているわけだ。

それにしても、人気抜群の「おくりびと」が最低の評価とは・・・。
ワースト部門で、辛い評価を下したある選者(編集者)は、
 「人の死を扱う職業に正面から向き合っていない。親子の話に逃げている。
 石の交換のエピソードも、父親がどんな気持ちで石を持っていたか、説明不足で、全体的にご都合主義の作品だ」
として、なかなか手厳しい。

まあ、批判は自由なので、人それぞれの意見をあまり気にしないことだろう。
「映画芸術」の編集部には、この記事が掲載されてから、連日のように、「こんな雑誌は廃刊にしろ」とか「ひどすぎるぞ」と言った批判が寄せられていて、アカデミー賞受賞後さらに激しさを増したそうだ。
それもそうだろう。
普通の映画ファンなら、怒るに違いない。
そのあまりの抗議、批判にも毅然(?)と主張を譲らないところに、敵も多いことだろう。
「映画芸術」という雑誌も、なかなか気が荒い。

「おくりびと」は、言われるようなそんな愚作ではないと思うし、大衆が広く支持する作品を攻撃する(?)姿勢を、一般の人々はどう思うだろうか。
造反有理といっても、人間が作る映画に、どんな優秀作といえども、完璧な作品などありえない。
ワーストであれ、ベストであれ、一位の‘勲章’に変りはないか。
いやあ、変わりがないわけはあるまい。
ちょっぴり、罪作りな話である。
  


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2 コメント

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映画の事はよく知りませんけど (茶柱)
2009-03-12 23:41:16
「映画批評」が選んだ映画、私、知らない物ばかりなんですが・・・。「接吻」あたりでようやく聞いた事あるかな・・・という程度で・・・。

よくわかりませんけど、一時期日本映画が低迷したのは、こう言う「通気取りの評論家」がうるさくいったからではないでしょうか・・・。「面白い」「つまらない」。それではいけないんでしょうか・・・。
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面白くて・・・ (Julien)
2009-03-14 21:30:31
楽しくて、感動があって、観た人がああこれはよかったと、そう思えればそれでいいんですよねえ。

どの世界にも、評論家はいて、それはそれでいいんです。何を言おうとも・・・。
感動する心は、各自違うのですから。
そこに、他人の、入り込むこむ余地はありません。

自分がいいと思うものが、いちばんいいのではないでしょうか。はい。
それでいいのです、それで・・・。
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