遠く離れた銀行から、あるいは誰かの口座から、巨額の金を奪い、その一部始終を、華麗なショーにしてしまうマジシャン4人組、フォー・ホースメンのFBIとの攻防を描く娯楽大作である。
ルイ・レテリエ監督は、あっと驚く劇場型犯罪を描いて、興味津々だ。
ショーを演じながら、銀行強盗を成功させるという、まことにもって奇想天外な犯罪ミステリーだ。
映画はタイトル通り、ストーリーも観客を幻惑し、見事に最後にまんまといっぱい食わせられる。
やや古風な泥棒活劇と今風のマジックの取り合わせも面白い。
まあ、だまされる快感に浸れる作品だ。
その夜、フォー・ホースメンと名乗る4人組のスーパー・イリュージョニスト・チームは、巨大ホールを埋め尽くした大衆の前で、「今夜、銀行を襲います」と宣言し、前代未聞のマジックに挑戦する。
何と、ラスベガスの会場にいながら、パリの銀行から大金を盗むマジックを披露するというのだ。
催眠術の使い手(ウディ・ハレルソン)、若き元スリ(デイヴ・フランコ)、紅一点の脱出アーティスト(アイラ・フィッシャー)に、4人組のリーダー格(ジェシー・アイゼンバーグ)らイリュージョニストたちは、見事320万ドルの札束を奪い、同時に観客の頭上には花吹雪が舞うのだ。
さらに第二のショーを開催したホースメンは、鮮やかなトリックを駆使して、悪徳実業家の巨額資金1億4000万ドルをかすめ取り、世間の大喝采を博していく。
そして、ニューヨークの隠し金5億ドルをターゲットとしたグランドイリュージョンで、意外なラストへ。
大胆不敵なトリックで観客を幻惑し、FBIが威信をかけた捜査網を敷く中、壮麗なるグランドイリュージョンを実行するのだった・・・。
ドラマは、FBI捜査官(マーク・ラファロ)や、トリックの暴露で荒稼ぎする元マジシャン(モーガン・フリーマン)らとの、先の見えない攻防をアップテンポで手際よく展開させていく。
映画全体がマジックのようなつくりで、映画はマジックに本当によく似ている。
物語には、奇抜なひねりも散りばめられ、最後には観客の予想は見事なまでに裏切られる。
冒頭は、4人組の腕前を披露するシーンから始まるのだが、もうここからショーを楽しんでいるような気分になる。
彼らのマジックの目的は、一体何なのか。
ドラマがかなり粗っぽいのは致し方ないだろう。
謎解きの妙味と洒落たユーモアは、ウィットに富んだ会話で面白く見せるし、少々間抜けな捜査官と女性パートナーとのやりとりも・・・。
新人ライター、エドワード・リコートのオリジナル脚本は綿密に練られており、研ぎ澄まされたヴィジュアル感覚がいかんなく発揮されている。
その結果、ミステリアスなドラマと臨場感あふれるチェイス・アクションを融合できたたまものだろう。
ラスベガス、ニューオーリンズ・ニューヨークと、これらスリリングな3つの巨大犯罪を鮮やかに描いて、驚愕の結末まで息つく暇もない、本場のトリックを伝授したプロ・マジシャンたちの貢献も大きいことだろう。
ルイ・レテリエ監督のアメリカ映画「グランドイリュージョン」は、前代未聞のマジック犯罪に秘めれたミステリーを、ロマンティシズムで彩った特大の娯楽作品だ。
[JULIENの評価・・・★★★☆☆](★五つが最高点)
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世の終わりにラッパを鳴らす。
その騎手達が鳴らす幻想とは。
楽しそうですね!
黙示録の4人、なのですか。
それはまた・・・!
しかし、こういう作品は、まあ娯楽性豊かで楽しくていいですね。観ていて悪い気はしません。