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徒然草

つれづれなるままに、日々の見聞など、あれこれと書き綴って・・・。

映画「8月の家族たち」―めくるめくような驚きと笑いの家族崩壊劇―

2014-05-05 06:00:00 | 映画


 愛すればこそ憎らしくもある。
 家族の間の残酷な秘密も、愛すればこそ浮かび上がってくる。
 そんな驚きと笑いのドラマは、緊張感に満ちている。

 ありがたくもあり、ときに煩わしくもある。
 楽しかるべき家族の食卓が、凄まじい修羅場と化すこともある。
 「家族」というテーマに焦点を合わせて、食卓を囲む全ての人たちの機微が丁寧に描かれる。
 ジョン・ウェルズ監督が、メリル・ストリープジュリア・ロバーツといった、アメリカを代表する二大女優の魅力を存分に引き出した作品だ。









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アメリカのオクラホマ州・・・。

8月の真夏日に、父親のベバリー(サム・シェパード)が失踪したと知らされ、長女のバーバラ(ジュリア・ロバーツ)は、夫ビル(ユアン・マクレガー)、娘ジーン(アビゲイル・ブレスリン)とともに実家に駆けつける。
がん治療のための、薬物依存症で情緒不安定にになっていた母バイオレット(メリル・ストリープ)や、叔母、妹たちと次々と再会するのだが、母娘の再会にもいらいらしてしまい、お互いに罵倒と乱闘の騒ぎとなってしまうのだった・・・。

家族だから、遠慮せず本音をぶつけ合う言葉の応酬となり、激しい衝突を繰り返す。
そんな中で、それぞれの持つ“秘密“や“隠しごと”が次第に明らかにされ、彼らの戦慄と笑いが家族の崩壊を呼び起こしていく。

メリル・ストリープジュリアロバーツの、大物女優同士の肉弾バトルも凄まじく、ストリープの怪演はこちらが凍りついてしまうくらい見ものだ。
母娘を軸にした物語で、切なくも複雑な情感がにじむラストも見逃せない。
母親は何といってもここでは絶対王者だし、三姉妹の様子は、シェイクスピア「リア王」を髣髴とさせる。
舞台で群像劇を見ているようだ。

全編無駄のない台詞で、アメリカ映画「8月の家族たち」は、濃密な人間模様が描かれていて、家族の愛と裏切り、絶望、悲しみを上質なサスペンスに昇華させ、ウェルズ監督は俳優たちの持ち味を十分に引き出している。
演技巧者たちが一堂に会し、家族であるはずの家族が、後半いつの間にか形だけの「家族」になってしまう過程がよく描かれている。
賑やかで贅沢な2時間である。
     [JULIENの評価・・・★★★☆☆](★五つが最高点


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ちょっと (茶柱)
2014-05-05 22:46:08
こう言ってはあれですが,「アメリカ映画らしからぬ」映画のようですね。
もっとも,アメリカ映画と言ったからといって,私のイメージする「爆発&銃撃」ばかりとは限らないでしょうけれど。
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まあ、観ようにもよりますが・・・ (Julien)
2014-05-08 17:07:55
結構アメリカ映画的でしたよ。
賑やかなのはいいですが、少し疲れます。この種の映画は・・・。
ご婦人方に、かなり人気があるようです。
私は、どちらかというと・・・?
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