愛すればこそ憎らしくもある。
家族の間の残酷な秘密も、愛すればこそ浮かび上がってくる。
そんな驚きと笑いのドラマは、緊張感に満ちている。
ありがたくもあり、ときに煩わしくもある。
楽しかるべき家族の食卓が、凄まじい修羅場と化すこともある。
「家族」というテーマに焦点を合わせて、食卓を囲む全ての人たちの機微が丁寧に描かれる。
ジョン・ウェルズ監督が、メリル・ストリープ、ジュリア・ロバーツといった、アメリカを代表する二大女優の魅力を存分に引き出した作品だ。
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アメリカのオクラホマ州・・・。
8月の真夏日に、父親のベバリー(サム・シェパード)が失踪したと知らされ、長女のバーバラ(ジュリア・ロバーツ)は、夫ビル(ユアン・マクレガー)、娘ジーン(アビゲイル・ブレスリン)とともに実家に駆けつける。
がん治療のための、薬物依存症で情緒不安定にになっていた母バイオレット(メリル・ストリープ)や、叔母、妹たちと次々と再会するのだが、母娘の再会にもいらいらしてしまい、お互いに罵倒と乱闘の騒ぎとなってしまうのだった・・・。
家族だから、遠慮せず本音をぶつけ合う言葉の応酬となり、激しい衝突を繰り返す。
そんな中で、それぞれの持つ“秘密“や“隠しごと”が次第に明らかにされ、彼らの戦慄と笑いが家族の崩壊を呼び起こしていく。
メリル・ストリープとジュリア・ロバーツの、大物女優同士の肉弾バトルも凄まじく、ストリープの怪演はこちらが凍りついてしまうくらい見ものだ。
母娘を軸にした物語で、切なくも複雑な情感がにじむラストも見逃せない。
母親は何といってもここでは絶対王者だし、三姉妹の様子は、シェイクスピアの「リア王」を髣髴とさせる。
舞台で群像劇を見ているようだ。
全編無駄のない台詞で、アメリカ映画「8月の家族たち」は、濃密な人間模様が描かれていて、家族の愛と裏切り、絶望、悲しみを上質なサスペンスに昇華させ、ウェルズ監督は俳優たちの持ち味を十分に引き出している。
演技巧者たちが一堂に会し、家族であるはずの家族が、後半いつの間にか形だけの「家族」になってしまう過程がよく描かれている。
賑やかで贅沢な2時間である。
[JULIENの評価・・・★★★☆☆](★五つが最高点)
もっとも,アメリカ映画と言ったからといって,私のイメージする「爆発&銃撃」ばかりとは限らないでしょうけれど。
賑やかなのはいいですが、少し疲れます。この種の映画は・・・。
ご婦人方に、かなり人気があるようです。
私は、どちらかというと・・・?